「星系出雲の兵站4」(林譲治)を読了。Kindle版。
4巻までで、ファーストコンタクトもいよいよ次の段階へ、というところで第一部完。
面白いんだけど、物語を読んでいるというより、ファーストコンタクトのシミュレーションを体験しているような感覚。兵站関係の説明が多いせいだと思うけど。
人類はAFDという超光速(FTL)航法を実現していて、異星人(光速に縛られている)との戦闘でもこれを使ってズルをする。通常速度の宇宙船(核融合推進)で開拓した航路の範囲内だけで可能な航法ということで、超光速通信は不可。AFD宇宙船に手紙を載せて届ける超光速飛脚は可能、という設定。これって因果律破れは引き起こさないのかな。亜光速の速度差が絡まなければ平気?
でもちょっと考えたらAFD航法だけでも亜光速で飛ぶ宇宙船はできそう。恒星近傍の重力場で自由落下して、恒星に衝突する前にAFDでまた最初の地点に戻る。これを繰り返せばいくらでも自由落下で加速できる。別に因果律なんて破らなくたって、この方法でいくらでも強力な運動エネルギー兵器が作れそう。これを禁止するために、老人と宇宙シリーズでは「惑星などの重力場近傍ではスキップ(FTL航法)不可」、という設定にしたんだろうな。