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読書

SF本読了 銀河核へ

「銀河核へ 上・下」(B.チェンバーズ)を読了。Kindle版。

面白かったし、せっかくこれだけの世界を作り上げたのだから、続編が読みたいよなぁ。と、思ってあとがきを読んだら原著はシリーズ3作目まで出ているとのこと。これはぜひ翻訳してほしいところ。

若い頃はこういうスペオペは「これってSFじゃなくてもよくない?(人種や宗教の違う人が乗り合わせた船乗りの物語で、箱入り娘が身分を隠して乗り込む、みたいな)」と思ったものだけれど、最近は歳のせいか素直に楽しめるようになった。

銀河核へ 上 (創元SF文庫) Kindle版

銀河核へ 下 (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/05/11   gena

SF本読了 AIとSF

「AIとSF」(日本SF作家クラブ編)を読了。Kindle版。

懲りずにまたアンソロジーを買ってしまったけれど、これは正解だったかな。ヒット率が高かった。

また、Youtubeでよくお見掛けする品田遊(ダヴィンチ恐山)さんの作品も気になっていたので読めて良かった。普通に(ちょっと怖い系の)面白い短編だった。

あとは好きな作家(菅さん、野尻さん)の作品は当然良かったし、他も全体的に面白かった。特にお気に入りとしては、「シークレット・プロンプト」あたり。

【収録作品】

  • 準備がいつまで経っても終わらない件 長谷敏司
  • 没友 高山羽根子
  • Forget me, bot 柞刈湯葉
  • 形態学としての病理診断の終わり 揚羽はな
  • シンジツ 荻野目悠樹
  • AIになったさやか 人間六度
  • ゴッド・ブレス・ユー 品田 遊
  • 愛の人 粕谷知世
  • 秘密 高野史緒
  • 預言者の微笑 福田和代
  • シークレット・プロンプト 安野貴博
  • 友愛決定境界 津久井五月
  • オルフェウスの子どもたち 斧田小夜
  • 智慧練糸 野﨑まど
  • 表情は人の為ならず 麦原 遼
  • 人類はシンギュラリティをいかに迎えるべきか 松崎有理
  • 覚悟の一句 菅 浩江
  • 月下組討仏師 竹田人造
  • チェインギャング 十三不塔
  • セルたんクライシス 野尻抱介
  • 作麼生の鑿 飛 浩隆
  • 土人形と動死体 If You were a Golem, I must be a Zombie 円城 塔

AIとSF (ハヤカワ文庫JA) Kindle版

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読書   2024/04/27   gena

SF本読了 プリズムの瞳

「プリズムの瞳」(菅浩江)を読了。Kindle版。

初出は2003年から2006年に連載された連作短編とのこと。当時と20年後の現在ではロボットや、特にAI関係の状況がずいぶん違っていて、現在の視点からこの作品を見ると、ロボットとの共存について考えさせられる感じがする。

例えば、最近普通に見かけるようになったファミレスの配膳ロボットが、ピィシリーズみたいなヒューマノイドだったらどうだろうか、とか。配膳ロボットを導入したところでは人間スタッフにクレームを言われることが減ってスタッフのストレス軽減に効果があった、みたいな記事も見たけれど、会話ができるヒューマノイドだったら、ロボットに難癖をつけて引き止める客が出てきそうな気がする。

ところでロボットよりも「博士」の体質の方がずっと人類社会に影響大のような気がして、それがちょっと奇妙に感じたかな。狙われるなら博士の方じゃない?

プリズムの瞳 (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/04/06   gena
タグ:Kindle , SF , 菅浩江

SF本再読 あなたの人生の物語

「あなたの人生の物語」(T.チャン)を再読了。Kindle版。

楽園とは探偵の不在なりを読んだときに電書版を買って「地獄とは神の不在なり」を再読したけれど、改めて全体を通して再読。

やっぱりこの短編集は好きだなぁ。定期的に読み返したくなるお話ばかり。

あなたの人生の物語 Kindle版

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読書   2024/03/16   gena
タグ:Kindle , SF , T.チャン

SF本読了 スノウ・クラッシュ

「スノウ・クラッシュ(上・下)」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

原著は1992年で長らく絶版になっていたものが電書で復刊したみたい。こういう流れは歓迎。

クリプトノミコンよりは楽しめたかな。「メタヴァース」を発案してそのイメージを後の世に決定づけたという意味で注目される作品だけど、読んでみて、むしろ言語SFとして面白いと思った。

スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版

スノウ・クラッシュ〔新版〕 下 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版

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読書   2024/02/23   gena

SF本読了 ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3

「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3」(小川一水) を読了。Kindle版。

けっこうヤバめの話になってきたのと、気楽に読んでいて最初の方のエピソードを忘れているので、時期を見て最初から再読したいかな。

「粘土」はそもそも何なのか、そこにどういったSF的な理屈が付けられるのか、を是非明らかにしていって欲しいところ。それがないと単なる魔法の便利デバイスになってしまうので。

ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3 (ハヤカワ文庫JA) Kindle版

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読書   2024/02/17   gena
タグ:Kindle , SF , 小川一水

SF本再読 久遠

「久遠 (上・下)」(G.ベア)を再読了。Kindle版。

永劫は30年経ってもそこそこ内容を覚えていたんだけど、久遠はさすがにすっかり忘れていて、その分新鮮な気持ちで楽しめた。

今読むと永劫より久遠の方が、いろいろと伏線回収されるという意味でも読んでいて気持ち良い感じ。

せっかく永劫・久遠が電書化されたんだから、この機会に「道」3部作の3作目の邦訳出してくれないかなぁ。

あと永らく使ってきたAmazonの書影付きリンク機能が廃止されてしまい、今までに貼ったリンクがすべて無効になってしまった。なんでそういう救済策のない変更を平気でするかなぁ。

Legacyの原著リンク

久遠 上 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版

久遠 下 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版

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読書   2024/02/04   gena
タグ:Kindle , SF , G.ベア

SF本再読 永劫

「永劫 (上・下)」(G.ベア)を再読了。Kindle版。

私がSFにハマるきっかけになった作品であり、ついに電書化されたということで即購入。

1985年の作品だけど、今読んでも面白いし、むしろベアの後年の作品よりも好き。「道」とか「ゲート」の描写ってイーガンぽいハードさを先取りしていたと思う。

舞台は2005年ということで、「スレート」はそのまんまスマートフォンやタブレットのイメージかなと思う。さすがに爪の先くらいのデバイスに何GBものデータが入って、いちいち「メモリキューブ」を持ち歩かなくても良いとか、スレート程度の端末で移動通信までできるレベルまで進歩するというのは予想が難しかったのかな。逆に、ほとんど充電の必要がないという点は完全にオーバーテクノロジー。何度も書いているけれど、フィクションだとエネルギー問題を簡単に解決しすぎ。

で、永劫のすごいところはこの「近未来のすごい技術」で軽くビビらせた後に、さらに遥かに進歩した「遠未来の技術」がバーン!と出るところ。早くこの技術に現実が追いつくと良いなぁ。

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読書   2023/12/29   gena
タグ:Kindle , SF , G.ベア

SF本読了 メデューサとの出会い

「メデューサとの出会い ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 3」(A.C.クラーク)を読了。Kindle版。

「メイルシュトレームII」は、火星の人の短篇版という感じ。

好みとしてはあとは「秘密」あたりかな。後年の作品とのことで、渋めの内容が多かったかも。

【収録作品】

  • イカルスの夏
  • 彗星の核へ
  • 土星は昇る
  • 未踏のエデン
  • 憎悪
  • ドッグ・スター
  • メイルシュトレームⅡ
  • きらめく生きもの
  • 秘密
  • 太陽からの風
  • 神々の糧
  • 無慈悲な空
  • 地球太陽面通過
  • メデューサとの出会い
  • グレート・リーフ
  • 五感以上
  • バック・トゥ・2001
  • 信条

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読書   2023/12/23   gena

SF本読了 はじまりの町がはじまらない

「はじまりの町がはじまらない」(夏海公司)を読了。Kindle版。

面白かった。後半ちょっと急展開すぎたので、もう少し長くても良かったかな。ラストもベタだけど良い感じ。

似たような背景設定のグラン・ヴァカンスはもっと重厚で痛々しい話なんだけど、自分としては痛くないこちらの方が好み。

アニメくまクマ熊ベアーにはこういう展開を期待していたんだけど、さすがに無理か。

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読書   2023/12/15   gena
タグ:Kindle , SF , 夏海公司