ミステリ読了 警視庁地下割烹
「警視庁地下割烹」(田中啓文)を読了。Kindle版。
田中氏の本はたまに読みたくなる。ただホラーやグロいのは苦手。本書は警視庁の地下にある割烹課というすごい設定で楽しい。
「ドジ坊」だからしょうがないんだけど、主人公の空気読めなさ加減がすごくて、作品としては面白いけれど、キャラとして好きにはなれないタイプかも。
「警視庁地下割烹」(田中啓文)を読了。Kindle版。
田中氏の本はたまに読みたくなる。ただホラーやグロいのは苦手。本書は警視庁の地下にある割烹課というすごい設定で楽しい。
「ドジ坊」だからしょうがないんだけど、主人公の空気読めなさ加減がすごくて、作品としては面白いけれど、キャラとして好きにはなれないタイプかも。
「ツインスター・ サイクロン・ランナウェイ4」(小川一水)を読了。Kindle版。
天冥シリーズ後の小川氏の新しいシリーズも完結。天冥シリーズと比べるとハードさはあまりなくて、軽め(イラストの割にはヘヴィだと思ったけれど)。
個人的には「粘土」とはなんなのか、というあたりにもう少しハードSF的な設定を与えて欲しかったかな。作中だと超光速航法すら可能な異性生命、という説明だけど、結局何でも可能な便利な魔法アイテム(の暴走でいろいろトラブルが起きる)みたいに感じた。
作品のテーマはあくまでも違うところにあるということなんだろうけれど、同性パートナーの件にしても、最終的に目指すところは結局「孕ませる」ことなんだ、というのはちょっと気になったかな。
「応信せよ尊勝寺」(八島游舷)を読了。Kindle版。
面白かったし、やはりこの世界観は好み。長編というにはちょっと短かかったのでは(Kindle版は厚みがわかりづらい)。
発売からしばらく経つけれど、タイトルが「天駆せよ法勝寺[長編版]」だと、短編と同じ内容でディテールを膨らませて長編化した作品なのかと思ってなかなか手が出なかった(実際そういう作品もあるし)。
本作は法勝寺の前日譚である別ストーリーであると、もう少しわかるようなタイトルなり装丁にして頂ければありがたかったかな。
いずれにせよ魅力的な世界観なので、(書くのはものすごく大変とのことだけど)法勝寺シリーズの継続を期待したい。合掌。
天駆せよ法勝寺[長編版]序章 応信せよ尊勝寺-Genesis SOGEN Japanese SF anthology 2022- 創元日本SFアンソロジー2022 Kindle版
「天駆せよ法勝寺」(八島游舷)を再読了。Kindle版。
長編版を買ったので、思い出しがてら再読。仏教はSFと親和性が高いというか、好みなものが多い気がする。一方でキリスト教SFってあんまり無いし、以前読んだイエスの遺伝子もイマイチだった。マンガのバスタードが頑張っていた感じだけど、あれはどうなったんだっけ。
天駆せよ法勝寺 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作 Kindle版
「コード・ブッダ」(円城塔)を読了。Kidle版。
久しぶりに仏教SF。けっこう好きなジャンル(?)で楽しめた。明らかにギャグなんだけど、大真面目に書いてあって、これは笑えば良いんだろうかどうなんだろう。
「フェルマーの最終定理」(S.シン)を読了。Kindle版。
暗号解読を読んだ流れでこちらも読んでみたけれど、面白かった。
過去から現代までの数学をめぐる物語がまず面白いし、ワイルズによる証明も突然現れた天才が思いつきで証明を完成させた、というような単純な話ではなく、谷山・志村予想をはじめとするフェルマー以後の数学者の積み上げた理論や定理を駆使したもので、実はフェルマーは本当の証明を持ってはいなかったのではないか、というような話。
「ミネルヴァ計画」(J.P.ホーガン)を読了。Kindle版。
巨人たちの星シリーズ3部作+内なる宇宙で完結したシリーズに、まさかの続編ということで、星を継ぐものから久々にシリーズを通して再読。本書も楽しむことができた。ホーガンのデビュー作がシリーズ1作目で、最晩年にそれを完結させるという素晴らしさ。
晩年のホーガンは陰謀論とかトンデモに傾倒してしまったという話で心配していたものの、本書はあまりそういう部分は目立たず、うまくハントたちの物語を完結させてくれて感謝。マルチヴァースのいろいろは強引なところもあるけれど、それを言ったらシリーズ全体がかなりご都合主義でもあるので、純粋に楽しめばいいと思う。
ゾラックのファンとしては、最後に最大の見せ場があったので喜ばしい。あまり悲壮感なく描いてくれて良かったかな。詳しく描かれたら泣いてしまうと思う。
SF本再読 内なる宇宙
「内なる宇宙(上・下)」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
新作記念の再読キャンペーン中。ブログを遡っても初読の記録が出てこないので30年ぶりくらい?ですっかり内容を忘れてしまっていた。
確かジェベックスが作り出したVR世界のお話じゃなかったかな、と思いながら読んでいたらぜんぜん違った。ジェベックスを構成するコンピュータ素子のマトリクス上に自然発生した宇宙だった。
順列都市のオートヴァース、いやディアスポラのワンの絨毯の方が近いイメージかもしれない。ホーガンより先にこの着想で書いた作品って何かあったかな。
いわば立体巨大ライフゲームみたいな感じだと思うんだけど、その宇宙で「惑星」ができて知的生命が進化するっていうのはやや強引かなとも思った。
内なる宇宙 上 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版
「巨人たちの星」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
新作記念の再読キャンペーンも年を跨いで初期3部作を読了。本作は大好きなゾラックはあまり活躍する場面がないんだけど、ストーリーとしては面白い。
ネットされているAI(コンピュータ)が出てくると、たいていハッキングしたりされたりというのが大事なポイントになることが多いわけだけど、セキュリティというのはまず破られる。もちろん強固なセキュリティで「侵入できませんでした」では物語が進まないから仕方がないわけだけど、結局技術のある相手にかかれば遠未来のテクノロジーであっても鉄壁のセキュリティは望めないということなのだろうか。
「暗号解読(上下)合本版」(S.シン)を読了。Kindle版。
久々のノンフィクション。面白かった。ちょうどアマプラで映画「イミテーション・ゲーム」を観たあとだったので、エニグマとチューリングのところはイメージが湧いたし、日替わり通信術練習のアプリで欧文暗文(暗号)を生成したりもしていたので、興味深かった。
さらに電信(モールス信号)と暗号って切っても切れない関係で、CW'erとしては「あるある」なオペレータのクセも重要な情報だったとわかったのも面白かった。
無線通信から情報を得るための補助的なテクニックも開発している。そうした補助的テクニック自体は、暗号解読とは関係がない。たとえばフランスの秘密情報収集所では、敵の無線オペレーターの癖までも聞き分けられるようになっていた。暗号化されたメッセージは、モールス信号の形で(つまり点と線の並びとして)送信されるが、オペレーターごとに、間のあけ方、送信速度、点と線の相対的な長さが異なるため、一人一人のオペレーターを識別できたのである。
今のところ日替わり通信術練習アプリの欧文暗文は単なるランダムな文字の羅列なんだけど、本当に暗号にしてみたら面白いかも、なんて思った。