Harmless Weblog

読書

SF本再読 ガニメデの優しい巨人

「ガニメデの優しい巨人」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

新作記念の再読キャンペーン中。2025年に1970年代に書かれたハードSFを読み返すというのも味わい深い。

内容は独自理論の説明が長々と続く場面が多いんだけど、なんと言ってもゾラックが今読んでもしみじみ良い。

思えば自分の「しゃべるコンピュータ好き」って、ナイト2000やゾラックあたりが原体験としてある気がする。2025年現在ではもう会話するAIは珍しくもないけれど、ゾラックなんかとはやっぱりちょっと違う気がするんだよなぁ。何が違うんだろう。個性の有無?現実とのインタラクションの違い?それとも自発的に会話を開始できるかどうか、とか?

あと、清浄な空気が貴重なはずの宇宙船内だとかましてや異星人が目の前にいてもお構いなしにタバコを吸いまくるのが、時代を感じて面白い。タバコに対する姿勢はSF作家が未来予測できなかったことの一つだと思う。もっとも、未来では完全無害無臭のタバコという設定なのかもしれない。

ガニメデの優しい巨人 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2025/01/18   gena

SF本再読 星を継ぐもの

「星を継ぐもの」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

こちらもまさかのシリーズ新作が出たとのことで、再読キャンペーンを開始。

かなりインパクトのある作品だったはずだけど、途中までオチをすっかり忘れていて大変楽しく再読できた。

タイトルが壮大なネタバレになっているパターンでしたね。

星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/12/29   gena

SF本読了 システムクラッシュ

「システムクラッシュ マーダーボットダイアリー」を読了。Kindle版。

待望の新作(シリーズ4作目)。ネットワークエフェクトからの直接の続編になっていて、主に「弊機」の精神(?)面の成長が描かれる。

タイトルのSystem Collupseだけど、ストーリー上の必然という感じでもなく、やや唐突な印象。時間軸もちょっとよくわからなかった。私の読解力がないのかもしれないけれど、前三作の明快な面白さと比べると「あれ?」と思うことが多かった。少し時間を置いてからじっくり再読したい。

システム・クラッシュ マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/12/22   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 逃亡テレメトリー

「逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。新作記念の再読キャンペーン中。

ネットワークエフェクトの前日譚。中編1つに短編2つという豪華版で、タイトルの中編は弊機が探偵役を努めるミステリー仕立て。この設定だけでも面白い。

逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/12/21   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 ネットワークエフェクト

「ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。マーダーボット新作記念の再読キャンペーン中。

シリーズ初長編ということで読み応えがある。そして後半の盛り上がりとラストの気持ち良さ。

知性キルウエアとなった2.0の活躍と怒らせると怖いARTと、読みどころがたくさん。

ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/12/15   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 マーダーボットダイアリー

「マーダーボットダイアリー(上・下)」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

五島列島出張中に読了。読むのは3回目かな。今回もシリーズ最新作の「システム・クラッシュ」が出たということで、復習の意味で通して再読するつもり。

やっぱり何度読んでも抜群に面白い。出張中の空港で「人間らしい歩き方をしよう」とか「警備システムをハックしなくては」などと考えてしまったりして変な感じだった。

初読の2020年から4年経つわけだけど、いまだに「フィード」に相当する情報基盤は登場していない。

マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) Kindle版
マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/12/01   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

ミステリ再読 地球儀のスライス

「地球儀のスライス」(森博嗣)を再読了。Kindle版。

Vシリーズの重要な短編が含まれていることもあって、再読したいと思っていたもの。Kindle版を追加購入した。

シリーズの短編はもちろん良いんだけど、シリーズ外のお話だと、小鳥の恩返し、僕は秋子に借りがある、あたりが好み。

そして2007年の初読時にはうかつにも気付かなかったけれど、「僕に似た人」はS&Mでしたね。

【収録作品】

  • 小鳥の恩返し
  • 片方のピアス
  • 素敵な日記
  • 僕に似た人
  • 石塔の屋根飾り
  • マン島の蒸気鉄道
  • 有限要素魔法
  • 河童
  • 気さくなお人形、19歳
  • 僕は秋子に借りがある

地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE (講談社文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/11/09   gena

SF本読了 七十四秒の旋律と孤独

「七十四秒の旋律と孤独」(久永実木彦)を読了。Kindle版。

デビュー作品集とのことだけど、面白かったし、好みの展開。

長い長い年月を経て語られる物語というのが自分の好みなのかも。順列都市やディアスポラも、森博嗣さんの一連の作品もそう。

七十四秒の旋律と孤独 (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/11/01   gena

SF本読了 白亜紀往事

「白亜紀往事」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

老神介護で読んだ同名短編の長編版。ストーリーとしては同じで、ディテールが豊かになった。ちょっとした寓話的な短編だったのが、少し豊かな表現になった感じ。

「恐竜絶滅のナゾ解きもの」というSFジャンルもけっこうな作品数がありそうだけどどうなんだろう。

白亜紀往事 Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/10/14   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 歌う船[完全版]

「歌う船[完全版]」(A.マキャフリイ)を読了。Kindle版。

昨年アンソロジーでシリーズの一編「還る船」を読んで、シリーズが気になっているけれど電書化されていない、と書いたけれど、タイミングよくKindle版が出た。しかも後に追加された2編を加えた完全版。これはありがたい。

面白かったし、かなり好みの展開。いわゆるサイボーグものだけれど、初版1969年ということを考えると、現在いろいろとあるサイボーグもののほとんどに影響を及ぼした聖典みたいな位置付けかもしれない。

シリーズの続編だと思っていた「〜船」の作品群は、マキャフリイではなく共作者による同一世界の物語ということみたい。ただこれらも2024年現在まだ電書化はされていない。読んでみたい気はする。

歌う船[完全版] (創元SF文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/10/05   gena