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SF本再読 内なる宇宙

SF本再読 内なる宇宙

「内なる宇宙(上・下)」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

新作記念の再読キャンペーン中。ブログを遡っても初読の記録が出てこないので30年ぶりくらい?ですっかり内容を忘れてしまっていた。

確かジェベックスが作り出したVR世界のお話じゃなかったかな、と思いながら読んでいたらぜんぜん違った。ジェベックスを構成するコンピュータ素子のマトリクス上に自然発生した宇宙だった。

順列都市のオートヴァース、いやディアスポラのワンの絨毯の方が近いイメージかもしれない。ホーガンより先にこの着想で書いた作品って何かあったかな。

いわば立体巨大ライフゲームみたいな感じだと思うんだけど、その宇宙で「惑星」ができて知的生命が進化するっていうのはやや強引かなとも思った。

内なる宇宙 上 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

内なる宇宙 下 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2025/04/05   gena

SF本再読 巨人たちの星

「巨人たちの星」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

新作記念の再読キャンペーンも年を跨いで初期3部作を読了。本作は大好きなゾラックはあまり活躍する場面がないんだけど、ストーリーとしては面白い。

ネットされているAI(コンピュータ)が出てくると、たいていハッキングしたりされたりというのが大事なポイントになることが多いわけだけど、セキュリティというのはまず破られる。もちろん強固なセキュリティで「侵入できませんでした」では物語が進まないから仕方がないわけだけど、結局技術のある相手にかかれば遠未来のテクノロジーであっても鉄壁のセキュリティは望めないということなのだろうか。

巨人たちの星 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2025/03/09   gena

ノンフィクション読了 暗号解読

「暗号解読(上下)合本版」(S.シン)を読了。Kindle版。

久々のノンフィクション。面白かった。ちょうどアマプラで映画「イミテーション・ゲーム」を観たあとだったので、エニグマとチューリングのところはイメージが湧いたし、日替わり通信術練習のアプリで欧文暗文(暗号)を生成したりもしていたので、興味深かった。

さらに電信(モールス信号)と暗号って切っても切れない関係で、CW'erとしては「あるある」なオペレータのクセも重要な情報だったとわかったのも面白かった。

無線通信から情報を得るための補助的なテクニックも開発している。そうした補助的テクニック自体は、暗号解読とは関係がない。たとえばフランスの秘密情報収集所では、敵の無線オペレーターの癖までも聞き分けられるようになっていた。暗号化されたメッセージは、モールス信号の形で(つまり点と線の並びとして)送信されるが、オペレーターごとに、間のあけ方、送信速度、点と線の相対的な長さが異なるため、一人一人のオペレーターを識別できたのである。

今のところ日替わり通信術練習アプリの欧文暗文は単なるランダムな文字の羅列なんだけど、本当に暗号にしてみたら面白いかも、なんて思った。

暗号解読(上下)合本版(新潮文庫) Kindle版

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読書   2025/02/08   gena

SF本再読 ガニメデの優しい巨人

「ガニメデの優しい巨人」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

新作記念の再読キャンペーン中。2025年に1970年代に書かれたハードSFを読み返すというのも味わい深い。

内容は独自理論の説明が長々と続く場面が多いんだけど、なんと言ってもゾラックが今読んでもしみじみ良い。

思えば自分の「しゃべるコンピュータ好き」って、ナイト2000やゾラックあたりが原体験としてある気がする。2025年現在ではもう会話するAIは珍しくもないけれど、ゾラックなんかとはやっぱりちょっと違う気がするんだよなぁ。何が違うんだろう。個性の有無?現実とのインタラクションの違い?それとも自発的に会話を開始できるかどうか、とか?

あと、清浄な空気が貴重なはずの宇宙船内だとかましてや異星人が目の前にいてもお構いなしにタバコを吸いまくるのが、時代を感じて面白い。タバコに対する姿勢はSF作家が未来予測できなかったことの一つだと思う。もっとも、未来では完全無害無臭のタバコという設定なのかもしれない。

ガニメデの優しい巨人 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2025/01/18   gena

SF本再読 星を継ぐもの

「星を継ぐもの」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。

こちらもまさかのシリーズ新作が出たとのことで、再読キャンペーンを開始。

かなりインパクトのある作品だったはずだけど、途中までオチをすっかり忘れていて大変楽しく再読できた。

タイトルが壮大なネタバレになっているパターンでしたね。

星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/12/29   gena

SF本読了 システムクラッシュ

「システムクラッシュ マーダーボットダイアリー」を読了。Kindle版。

待望の新作(シリーズ4作目)。ネットワークエフェクトからの直接の続編になっていて、主に「弊機」の精神(?)面の成長が描かれる。

タイトルのSystem Collupseだけど、ストーリー上の必然という感じでもなく、やや唐突な印象。時間軸もちょっとよくわからなかった。私の読解力がないのかもしれないけれど、前三作の明快な面白さと比べると「あれ?」と思うことが多かった。少し時間を置いてからじっくり再読したい。

システム・クラッシュ マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/12/22   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 逃亡テレメトリー

「逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。新作記念の再読キャンペーン中。

ネットワークエフェクトの前日譚。中編1つに短編2つという豪華版で、タイトルの中編は弊機が探偵役を努めるミステリー仕立て。この設定だけでも面白い。

逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/12/21   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 ネットワークエフェクト

「ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。マーダーボット新作記念の再読キャンペーン中。

シリーズ初長編ということで読み応えがある。そして後半の盛り上がりとラストの気持ち良さ。

知性キルウエアとなった2.0の活躍と怒らせると怖いARTと、読みどころがたくさん。

ネットワーク・エフェクト マーダーボット・ダイアリー (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/12/15   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 マーダーボットダイアリー

「マーダーボットダイアリー(上・下)」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

五島列島出張中に読了。読むのは3回目かな。今回もシリーズ最新作の「システム・クラッシュ」が出たということで、復習の意味で通して再読するつもり。

やっぱり何度読んでも抜群に面白い。出張中の空港で「人間らしい歩き方をしよう」とか「警備システムをハックしなくては」などと考えてしまったりして変な感じだった。

初読の2020年から4年経つわけだけど、いまだに「フィード」に相当する情報基盤は登場していない。

マーダーボット・ダイアリー 上 (創元SF文庫) Kindle版
マーダーボット・ダイアリー 下 (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/12/01   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

ミステリ再読 地球儀のスライス

「地球儀のスライス」(森博嗣)を再読了。Kindle版。

Vシリーズの重要な短編が含まれていることもあって、再読したいと思っていたもの。Kindle版を追加購入した。

シリーズの短編はもちろん良いんだけど、シリーズ外のお話だと、小鳥の恩返し、僕は秋子に借りがある、あたりが好み。

そして2007年の初読時にはうかつにも気付かなかったけれど、「僕に似た人」はS&Mでしたね。

【収録作品】

  • 小鳥の恩返し
  • 片方のピアス
  • 素敵な日記
  • 僕に似た人
  • 石塔の屋根飾り
  • マン島の蒸気鉄道
  • 有限要素魔法
  • 河童
  • 気さくなお人形、19歳
  • 僕は秋子に借りがある

地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE (講談社文庫) Kindle版

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読書   2024/11/09   gena