Harmless Weblog

劉慈欣

SF本読了 白亜紀往事

「白亜紀往事」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

老神介護で読んだ同名短編の長編版。ストーリーとしては同じで、ディテールが豊かになった。ちょっとした寓話的な短編だったのが、少し豊かな表現になった感じ。

「恐竜絶滅のナゾ解きもの」というSFジャンルもけっこうな作品数がありそうだけどどうなんだろう。

白亜紀往事 Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/10/14   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 超新星紀元

「超新星紀元」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

ドイツ出張の帰路、シャルル・ド・ゴール空港でのトランジット待ちで読了。

劉慈欣の長編第一作とのこと。これはまたよく短編ではなくこのボリュームの長編にしたな、という感じ。

面白かったし、劉慈欣としてはこれで正解だったと思うけれど、個人的には後半で超新星爆発を超えるSF的なイベントが起きるとか、そうでなくても超新星戦争のような暗く辛い展開は回避してほしかったかなぁ。大人の絶滅ですでにカタストロフは充分なので。

あと、ハイティーン世代、超新星病で助からないけれどまだ子供、という人々が大勢いたはずで、彼らのストーリーが語られなかったのがちょっと残念に思った。

超新星紀元 Kindle版 劉 慈欣 (著), 大森 望 (翻訳), 光吉 さくら (翻訳), ワン チャイ (翻訳)

≫ 続きを読む

読書   2024/09/07   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 流浪地球

「流浪地球」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

老神介護と同時刊行された姉妹短編集。こちらも大変面白かった。地球にエンジンを付けて自転を止めて動かすとかって、老神介護でも思ったけれど、こういう壮大な金のかかるプロジェクトはけっこう好きかも。

解説を読むまで気付かなかったけれど、呑食者は詩雲(円 劉慈欣短編集所収)と共通する世界だった。なるほどなぁ。

【収録作品】

  • 流浪地球
  • ミクロ紀元
  • 呑食者
  • 呪い5・0
  • 中国太陽

流浪地球 (角川文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/07/05   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 老神介護

「老神介護」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

面白かった。相互に関係のない短編なのかなと思ったら、大きく3つの物語の連作短編という感じだった。それがまた良い味を出している。しかも白亜紀往時は長編版もあるのか。この恐竜と蟻の寓話をどのように長編化しているのか気になる。

めちゃくちゃ金のかかる壮大なプロジェクトをバンバン実行する描写って、やっぱり国の景気を反映しているのかなと思ったり。

【収録作品】

  • 老神介護
  • 扶養人類
  • 白亜紀往事
  • 彼女の眼を連れて
  • 地球大砲

老神介護 (角川文庫) Kindle版

≫ 続きを読む

読書   2024/06/22   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 三体0

「三体0 球状閃電」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

三体3部作の前日譚的な位置付けで、大変面白かった。オカルトっぽい描写が科学的に説明されるところなんかは、まさに三体の「カウントダウン」と同様に楽しめたし、三体2がフェルミのパラドックスに説得力のある回答を与えたのと同じように、三体0では球電や超常現象の説明を試みていて、それがミステリのように明らかになっていくのが素晴らしい。

≫ 続きを読む

読書   2023/09/09   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 円 劉慈欣短編集

「円 劉慈欣短編集」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

なるほど三体の人だな、という感じ。硬軟具合もちょうど三体と同程度と思う。

全体的に面白かったかな。こういうのって寓話SFというサブジャンルができそう。好みとしてはハチャメチャ具合から言って郷村教師と詩雲あたり。

【収録作品】

  • 鯨歌
  • 地火
  • 郷村教師
  • 繊維
  • メッセンジャー
  • カオスの蝶
  • 詩雲
  • 栄光と夢
  • 円円のシャボン玉

≫ 続きを読む

読書   2023/06/09   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 三体III

「三体III (上・下)」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

改めて再読してみて、面白いのは間違いないんだけど、やっぱりIIと比べてちょっと荒唐無稽感が強くて、SFとしては物足りないかな、という印象。

三体文明以外の知的存在が用いる超科学が出てくるあたりから、科学というよりほとんど魔法になってしまって、理論的解説も放棄されてしまっているのがちょっと物足りないと思ったポイントかも。

それでも三体Xを読むのが楽しみ。

≫ 続きを読む

読書   2022/12/11   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 三体II

「三体II 黒暗森林(上・下)」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

やっぱり三体はIIが最高かもしれない。あらためてIIIを読みつつこれを書いているけれど、「四次元」の登場あたりからどうも現実感が薄くなっていくような感じ。これはたぶん普段からイーガンで慣れているからだと思うんだけど、三次元人がそのまま四次元に入ってもああいう描写にはならないだろう、という違和感があるためだと思う。三次元の眼球では結局四次元空間の三次元へ投影された断面が見えるだけで、四次元を認識するなら四次元身体(超球の眼球)が必要なのでは?、とか。

IIが最高なのは、SFとしてめちゃくちゃ面白いストーリーの中で、フェルミのパラドックスへの回答を説得力のある形で与えてくれる点だと思う。これで世界観が変わった人は多いのでは。

≫ 続きを読む

読書   2022/10/22   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 三体

「三体」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

スピンオフ小説の三体Xが出て早速読み始めたんだけど、これはやっぱり最初から読み直した方が良いと思い直して、再読を開始。

2年ぶりに再読したけれど、いやー、こんなに面白かったっけ?というくらい面白い。マーダーボットとかレギオンかイーガンともまた全然違う路線で、訳者の大森さんの解説にもあったけれど、ベイリーとかそっち系の面白さかも。

≫ 続きを読む

読書   2022/09/10   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 三体III 死神永生

「三体III 死神永生(上・下)」(劉慈欣)を読了。Kindle版

いよいよ完結編。発売が待ち遠しくて、発売されて即購入。こういうのは珍しい。

とにかく三体II黒暗森林が最高潮に盛り上がって面白過ぎたので、完結編でこれ以上どのように盛り上げて終わらせるのかが気になった。

読み始めてみれば、IIとはまた違った角度、とんでもないスケールと、もうお腹いっぱいという面白さ。下巻は「三体ロス」が怖くてなかなかページを進められなくなってしまった。これも最近では珍しい。

出たばかりの本なのでネタバレは避けるけれど、この三部作は文句なくこの10年で最高傑作と思う。個人的に何度も読み返したくなるのはイーガンの方だけど、三体はイーガンと同等のスケール感で、小難しい理論描写を省いて読みやすくした感じ。

しばらく時間を置いてからじっくり再読したい。

昔のテレビが電波を受信しないときに画面に映し出したランダムな砂嵐のような映像だ。
劉 慈欣. 三体Ⅲ 死神永生 上 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6281-6282). Kindle 版.

テレビの砂嵐と聞いてもピンとこない読者も増えているだろうなぁ。

≫ 続きを読む

読書   2021/07/31   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣