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資格取得 二級小型船舶操縦士(ボートスクール受講編)

3年に及んだ一総通チャレンジを終えたかんなさんは、無線従事者・技術士資格は最上位コンプリートとなったので、長年温めてきた小型船舶操縦士の資格取得に具体的に動き出した。

かんなさんはせっかく小型船舶を取るなら、横浜や山中湖などステキな場所に宿泊して実技講習を受けたいと考えていたけれど、世は新型コロナ(COVID-19)の感染拡大で移動もままならない。私自身もかんなさんと一緒に勉強するのは楽しいし、興味はあったけれど、横浜まで泊まりで受けに行くのは今の業務では休みの調整が難しくて厳しいなと思っていた。

そこで、改めてネットで実技講習を受けられるボートスクールを調べてみると、地方にも意外とあることがわかってきた。自宅から日帰りで行ける範囲でも3箇所くらいはある。海は波も高そうで船酔いとか心配なので、湖のヨットハーバーで受けられるところに、まずは様子見がてら話を聞きに行くことにした。

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ちなみに二級小型船舶の資格取得には大きく3通りの方法があるみたい。これも調べていく過程で徐々にわかってきた。

  1. 教習所コース…登録小型船舶教習所の国家試験免除講習を受講
  2. 国家試験受験コース…ボート免許スクールで座学と実技の講習を受け、国家試験(筆記+実技)を受験
  3. 独学で国家試験(筆記+実技)を受験

上に行くほど時間と費用がかかる。自分たちが見学に行ったのは、2番目のボート免許スクール。Youtubeで小型船舶を独学で取ろう、という親切な解説動画もあったりするけれど、さすがに触ったこともない船にいきなり乗ってぶっつけ本番で実技試験を受ける勇気はなかった。

車で片道1時間半ほどのヨットハーバーはこじんまりしていて、金持ちリゾート的な雰囲気もなく、自分には合っている感じ。講習について聞くと、(8月の)今は緊急事態宣言中で、9月の講習と試験は中止とのこと。ただ、10月の講習日と試験日は、2名受講であれば少し日程も自由に調整できるとのことでありがたい。都合の良い土日で講習と試験を組んでもらうことができた。

【学科講習】

学科講習は3時間。ヤマハのボートライセンステキストと問題集(非売品)を使って、試験に出るところだけを解説してくれる感じなんだけど、それでも範囲が広くて、3時間を少しオーバーした。

実技講習までの期間の週末を利用して、問題集を一通りやって、間違えたところに付箋を貼ってテキストでチェック。計算問題は小学生レベルの距離・時間・速度を求めるものだけで、あとは一般常識で答えられる問題と、暗記が必要な問題。合格点を取るだけなら簡単そうだけど、パーフェクトを狙うなら細かいことまで覚えないといけない感じ。

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学科講習で教わった役に立つ語呂合わせ

  • 一錨 二不自由 三乗り上げ … 形象物
  • どり は ぎ … 舷灯
  • 一右 二左 三下がり … 操船信号
  • しがた は がし … 浮標式
  • Oc は おかしい … 灯質
  • Iso は いっしょ(等しい) … 灯質

【実技講習】

試験一週間前に予定されていた実技講習は、風が強い予報だったために中止になってしまった。こればかりはお天気任せなのでしかたがない。当日の風速予報は7m/s。実技講習が受けられないため、試験は学科だけを先に受けて、実技講習を後日受けてから、実技試験に臨むことになった。

実技講習まで時間があったので、ロープワーク練習用の道具を自作。スクールに置いてあったものを参考にした。クリートの代用になるものが意外と身の回りやホームセンターになく、端材を組み合わせてそれらしく作った。

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学科試験に科目合格した後、当初より1ヶ月以上遅れて実技講習。この日も風速はやや強い予報で心配だったけれど、これ以上延ばすと寒さが厳しくなるので開催してくれるとのこと。ただ比較的風の弱い午前中に操船をやって、昼から離着岸と桟橋の項目という順番に組み替えていただいた。簡単に講習の流れを説明してもらって、ライフジャケット(貸してくれる)を着用して講習開始。

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教習艇はヤマハのFR23という船。学科では船内外機船も勉強したけれど、今は小型船舶はほとんど船外機船らしい。扉付きのキャビンがあって、中にはトイレもあってなかなか豪華。教習艇専用のチェックリストが配られて、これと照らし合わせたりメモを取りながら進める感じ。この船専用の内容なので実際と食い違うところもなく安心。

最初は講師が沖まで操船してくれて、基本操船から。見本を見せてもらってから受講者(私とかんなさんだけ)が順番に操船する流れ。発進、微速前進、増速して滑走、停止、変針をそれぞれ練習。船の操作はアクセル(リモコンレバー)とハンドルしかないので簡単なんだけど、ポイントは安全確認と見張り。講習日は風が強くて低速で直進していると船首が流されて頻繁に当て舵が必要なのでつい前方だけを注視しがちになってしまうんだけど、意識して10秒に一回くらいは後ろと左右を確認するのが大切とのことだった。

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今回初めて船を操縦してみて気になったのは、リモコンレバーの操作感。中立がとても大切なのに、レバーに節度感がなくわかりづらい。また増速、減速するときもレバーが硬い上にレスポンスがリニアでなく、低速域の遊びが大きいのに上げていくとあるところで回転数が急上昇。これはわざとこういう操作感にしているんだと思うんだけど、メリットがよくわからなかった。

操船の技能的にちょっと難しいなと思ったのは、皆同じだと思うけれど人命救助と離着岸。どちらも風で船が流されてしまうこともあり目算が難しい。人命救助はブイを人に見立てて救助するけれど、うまく近づけられても揺れる船上からキャッチできなかったり。着岸はアプローチの角度やどのくらいの距離からハンドルを回すかとか、感覚が難しかった。しかも実技講習の日と試験本番では風も違うだろうし。離岸も講習の日は風が強くて桟橋に船が押し付けられて、後進微速のままでは離岸できず、少し吹かしてやる必要があった。

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蛇行は滑走状態まで速度を上げて船体を内側に傾けながらスラロームするのでなかなか爽快。ハンドル操作とブイの目視に集中して、いつの間にか指定の回転速度よりだいぶ超過してしまっていた。これは試験の時注意しないと。

操船を失敗しないように、というのは誰でも気になると思うけれど、意外と試験で落とされることが多いのが乗船前の「小型船舶の取り扱い」科目だそうで、6問中3問落とすと、操船がいくら良くても足切りで不合格となる。点検やトラブルシュートは覚えることも多いので要注意。

そんな感じで教えてもらいながら、9時半からトイレ休憩を挟んで13時半頃まで。これだけの経験で国家試験を受けるというのはなかなかに不安もあるけれど、それでも経験ゼロよりは良いかも。

次回、国家試験受験編に続く。

ブログ   2021/12/11   gena
タグ:資格
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