SF本読了 七十四秒の旋律と孤独
「七十四秒の旋律と孤独」(久永実木彦)を読了。Kindle版。
デビュー作品集とのことだけど、面白かったし、好みの展開。
長い長い年月を経て語られる物語というのが自分の好みなのかも。順列都市やディアスポラも、森博嗣さんの一連の作品もそう。
「七十四秒の旋律と孤独」(久永実木彦)を読了。Kindle版。
デビュー作品集とのことだけど、面白かったし、好みの展開。
長い長い年月を経て語られる物語というのが自分の好みなのかも。順列都市やディアスポラも、森博嗣さんの一連の作品もそう。
「白亜紀往事」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
老神介護で読んだ同名短編の長編版。ストーリーとしては同じで、ディテールが豊かになった。ちょっとした寓話的な短編だったのが、少し豊かな表現になった感じ。
「恐竜絶滅のナゾ解きもの」というSFジャンルもけっこうな作品数がありそうだけどどうなんだろう。
「歌う船[完全版]」(A.マキャフリイ)を読了。Kindle版。
昨年アンソロジーでシリーズの一編「還る船」を読んで、シリーズが気になっているけれど電書化されていない、と書いたけれど、タイミングよくKindle版が出た。しかも後に追加された2編を加えた完全版。これはありがたい。
面白かったし、かなり好みの展開。いわゆるサイボーグものだけれど、初版1969年ということを考えると、現在いろいろとあるサイボーグもののほとんどに影響を及ぼした聖典みたいな位置付けかもしれない。
シリーズの続編だと思っていた「〜船」の作品群は、マキャフリイではなく共作者による同一世界の物語ということみたい。ただこれらも2024年現在まだ電書化はされていない。読んでみたい気はする。
「超新星紀元」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
ドイツ出張の帰路、シャルル・ド・ゴール空港でのトランジット待ちで読了。
劉慈欣の長編第一作とのこと。これはまたよく短編ではなくこのボリュームの長編にしたな、という感じ。
面白かったし、劉慈欣としてはこれで正解だったと思うけれど、個人的には後半で超新星爆発を超えるSF的なイベントが起きるとか、そうでなくても超新星戦争のような暗く辛い展開は回避してほしかったかなぁ。大人の絶滅ですでにカタストロフは充分なので。
あと、ハイティーン世代、超新星病で助からないけれどまだ子供、という人々が大勢いたはずで、彼らのストーリーが語られなかったのがちょっと残念に思った。
「都市と星(新訳版) (A.C.クラーク)」を再読了。Kindle版。
ドイツ出張の機内で読了。文庫版で何度か読んでいるはずだけど、すっかり忘れていたのと、今回新訳版が出たということで電書で再読した。
やはりこの内容をアポロの月着陸より遥か前に書いていた、という点が本当に驚愕。
そしてダイアスパーのオマージュはその後の無数の作品に見られるわけだけど、私の座右の書であるイーガンのディアスポラのポリスも、まさにダイアスパーであり、ヤチマはそのまんまアルヴィンだったんだなと気づいた。それだけ普遍的なテーマということなのだろう。
「ひとめあなたに…」(新井素子)を読了。Kindle版。
オールタイムベストに挙げられるような名作みたいだけど、私にはそれほど響かなかったかなぁ。私がグロいのやホラーっぽい描写が苦手なせいかも。
大隕石の衝突で、あと6日で地球が滅亡する、という設定でありながら、描かれるのは主人公が出会う数人の過ごし方だけ、というのは面白かったけど。
ちょうど先日読んだ流浪地球も、地球滅亡が事前にわかるという背景だけど、こちらは400年後であって、人類は生き残るための努力をする。さすがにこれが6日後では、もうどうしようもないという諦めになってしまうのも理解できる。
こういう地球滅亡が事前にわかる系の作品ってたくさんあると思うけれど、誰か滅亡までの日数で整理していないだろうか。ディアスポラの「トカゲ座」が1日とかだったっけ?
「怪獣保護協会」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。
面白かった。老人と宇宙シリーズのノリの良さで、かつ王道の展開でスカっと爽やか。
読みながら不思議というか違和感があったのは、最後まで男女が不明というキャラクターがけっこういたこと。これは訳者あとがきを読んだらわざとみたい。まああからさまに男言葉・女言葉を喋らせるのも不自然なんだけど、ビジュアルを想像しづらいのでこの辺は明確にしてもらった方が読みやすいかな、とは思う。
Covid-19パンデミックの世界を舞台にしたという意味でも面白かった。後年読む人はさぞ不思議に思うことだろう。
「スペース金融道」(宮内悠介)を読了。kindle版。
息抜きのつもりで読んで、ちょっと想像と違ったけれど、面白かった。
銀河ヒッチハイクガイドと似た雰囲気というレビューを見たけれど、なるほど、という感じ。本作の方が小説としてはぜんぜん読みやすくて良かった。
「流浪地球」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
老神介護と同時刊行された姉妹短編集。こちらも大変面白かった。地球にエンジンを付けて自転を止めて動かすとかって、老神介護でも思ったけれど、こういう壮大な金のかかるプロジェクトはけっこう好きかも。
解説を読むまで気付かなかったけれど、呑食者は詩雲(円 劉慈欣短編集所収)と共通する世界だった。なるほどなぁ。
【収録作品】
「老神介護」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
面白かった。相互に関係のない短編なのかなと思ったら、大きく3つの物語の連作短編という感じだった。それがまた良い味を出している。しかも白亜紀往時は長編版もあるのか。この恐竜と蟻の寓話をどのように長編化しているのか気になる。
めちゃくちゃ金のかかる壮大なプロジェクトをバンバン実行する描写って、やっぱり国の景気を反映しているのかなと思ったり。
【収録作品】