Harmless Weblog

SF

SF本読了 三体X

「三体X 観想之宙」(宝樹)を読了。Kindle版。

三体シリーズの二次創作、という割にはやたらと完成度が高く、よくここまで考えたな、という感じ。違和感もあるにはあるんだけど、これを読んだ後だと、「三体シリーズ」から本書を分離して考えることは無理なんじゃないかな。

二次元宇宙で文明を維持するっていうのは、つまり二次元空間で動作するコンピュータを作って、そのシミュレーションの中で暮らすという感じかなと想像(チューリングマシンやワンの絨毯からの連想)。シミュレーションなら三次元でも四次元でもお好きなように、とできるので。そういう意味で、暗黒森林攻撃に対する防御として、ポリスに引き篭もって比較的安全そうな恒星間空間や銀河間空間を漂うっていうのはどうだろう。

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読書   2023/01/04   gena
タグ:Kindle , SF , 宝樹

2022年総括

昨年末は猫のデルタの看病でほとんど年末年始らしいことは何もできなかったけれど、おかげさまで今年はデルタが元気になってくれて、無事に年を越せそうなので感謝したい。

業務で休みが取りづらいのは相変わらず。正確には休みは取ろうと思えば取れるんだけど、休んでいても構わずに電話やメールやチャットが飛んできて、対応しなくてはいけないということ。

一方で人間ドックで不整脈の診断をされてApple Watchを買ったのをきっかけにして、人生初のスポーツジム通いを始めたのが生活の大きな変化になった。ジムに通い始めて半年だけど、平均週3回ほど、早朝に1時間くらい筋トレと有酸素運動(トレッドミル)をしている。体重は5kgほど落ちて20代前半の頃に戻った。なんとなく体力が付いた気はする。筋肉はあまり実感がないかな。暑くても寒くても快適に運動できるのは良い。

アマチュア無線活動

個人コールでは430MHzのコンテストで移動運用をする程度で、HFは専ら社団局のCWオペレーターとして活動。やっぱり一度まともなアンテナでコンテストを経験するとベランダモービルホイップで頑張ろうという気持ちになかなかならない。

純粋にCWのスキル継承やコンテストを楽しみたい、という思いを抱く有志で新しい社団局も立ち上げた。来年はこちらの活動がどんな感じになるか楽しみ。

6年以上移動運用で使ってきたドンキホーテの19800円の2in1パソコンはとうとう引退させて、中古のレッツノートを3.6万円で購入。これが思いのほか快適で、無線以外にも外に持ち出して原稿書きやサーバいじりに使うのに最適。この総括記事もカフェにレッツノートを持ち出して書いている。

免許上は流行りのデジタルモード(FT8やFT4)にも出られるけれど、JT65の流行り初めの頃に、「デジタルモードは金かけた者勝ち」であると悟ってしまい、あまり積極的にやる気がしない。アンテナやパワーがあれば楽はできるけれど、スキル次第で弱小設備でも戦えるCWの方がずっと面白い。どんなお金持ちでも、CWは耳で聞くスキルを身につけなければまともに交信できない。もっとも、昨今のAIの驚異的な進歩を考えると、来年くらいにはノイズに埋もれた超高速/低速符号や手打ちのクセのある符号でも人間並みにデコードするソフトが登場するかもしれない。大量の学習データを用意するのが大変だと思うけど、そこさえクリアできれば実現しそう。

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資格取得活動

自分の資格取得活動としては今年は低調だった。一応次に取ろうとしている資格はあって、勉強は開始しているので成果があったら報告したい。

かんなさんが一総通・一陸技の資格を生かして、教員免許を取得。書類作成でちょっとだけお手伝いした。教員免許取得の詳しいお話はplus TK2Sさんの通信受験人C101にかんなさんが寄稿した記事を参照ください。

昨年取得した小型船舶の資格を生かして、というわけではないけれど、キャプテン講習とドライビング講習を受講がてら、初の東京湾クルーズを体験できた。

プログラミング

今年は思い切ってさくらのVPSを契約して、グローバルIPを持ったサーバを手に入れた(借りた)。立ち上げ直後は有象無象のアタック(不正アクセスの試み)の激しさにビビったけれど、セキュリティ対策をして安定稼働しだしてからは、自宅のラズパイで実行させていた日替わり通信術関係のスクリプトをVPSに移して、出先からでもスクリプトのメンテナンスができるようになった。

VPSを活用して、Evernote的な「自分アプリ」を作った。年末までに日記アプリのCFV DiaryとメモアプリのCFV Memoが使い物になるレベルに仕上がって、この総括記事はCFV Memoで書いている。ちょうどそんなタイミングでEvernoteの有料プランが値上げされたので、さっさと解約。今まで10年以上使わせてもらって感謝はしているけれど、こちらはシンプル・高速・安定・安価なアプリを求めているのに、どんどん複雑・低速・不安定・高価になっていくのはどういうことなのか。。

公開2年目の日替わり通信術練習は、アクセス数からの推定で30-40名のアクティブユーザが使ってくれていると思う。夏に過去の日替わり問題の練習機能を実装したことで、必要な機能はほぼ揃って完成と言えると思う。ちょこちょことバグ(主に和文の本文プールの難読漢字などに由来するもの)があって、直しつつ稼働させている。

来年も引き続きちょっとずつ自分アプリを洗練させつつ、何か新たなアプリを思いついたらVPSで作っていきたい。

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アコースティックギター弾き語り

今年もギター活動は低調だったけれど、1〜2ヶ月に1回のギタークラブは継続。ギターを習い始めた頃の同期生というか仲間と一緒にやっているけれど、新たなメンバーはなかなか入らない。これは仕方がない面もあって、自分達とレベルが大きく違う人が入ると内容が高度すぎたり物足りなかったりしてしまうので。その意味では同じようなビギナー同士のメンバーでクラブを始められたのは幸運だった。

ピートは17歳デルタは15歳になった。どちらも年齢なりにトラブルを抱えている感じ。

ピートは昨年からの股間のトラブルがたまに再発して、今のところは自力でなんとか解決している様子。何度も書いているけれど、ピートの病院嫌いは壮絶なので、よほどのことがない限りは見守るしかないと思っている。

ただ、普段はとても元気で、体重が軽くなったので身軽に走り回っている。問題は人間の方で、夜中に3〜4回とても大きな声で人を起こしてお湯を出させたりパウチを要求するので、ここ何年か一晩通して眠るということができなくなった。朝も5時前から騒ぎ始めることもあり、寝過ごすこともない。

デルタは1月の結石の手術が大きな試練だった。幸いにして今はすっかり元気になって、体重がなかなか減らないのが悩み。結石ケアの療法食を食べさせないといけないんだけど、パウチが品薄で入手難になっている。戦争の影響だろうか。今のところ市販でどうにか手に入るメディファスの2種の尿石ケアと、パウチ(ユリナリーS/O)はロイヤルカナンから直送で取り寄せている。このパウチは以前は普通にお店で買えたけれど、今は動物病院かベッツホームデリバリーでないと手に入らない。療法食はめちゃくちゃ高額だけど、あまり食べてくれないので結局普通のスープタイプのパウチをあげてしまうことが多い。

結石療養後から顕著になったのがデルタの甘えっ子ぶり。とにかく24時間べったり甘えている感じ。特にかんなさんにべったりで、夜はかんなさんの頭を抱えて寝ている。かんなさんは寝返りも打てず大変。

ピートとデルタの関係は、結石療養後からピートの方が強くて、ちょっと機嫌が悪いとピートがデルタを追い詰めてしまうことが多い。ピートもデルタもかまってほしい、甘えたい、というのは一緒なんだけど、ピートは「北風作戦」、デルタは「太陽作戦」なので、どっちが有利かは明らか。

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ファーストカーのプジョー2008は購入後3年3ヶ月、セカンドカーのロードスターは同5年6ヶ月。プジョー2008の方はかんなさん(奥様)専用車として稼働中。そろそろスタッドレスタイヤは更新したい、と昨年も書いたけれど、まだ更新できていない。来年こそは、と思っている。

運悪くというか計画性がなくて2台とも車検が同じ周期で、今年は車検がなかったので大きな部品交換やお金のかかるトラブルはなかった。プジョー2008のドライブレコーダは更新

ロードスターの後継に荷物の乗るクルマ、と思っているけれど、今のところ決定打がない。候補としてはマイチェン前のタウンエースバンのMTの4WDが良いかな、と思ってYoutubeで動画を見たりしている。どこかで試乗ができるといいんだけど、MTはなかなか無いかなぁ。次点はパンダ4x4、カングーのMTあたり。ただ、何度も書いているけれど、ロードスターは一度降りたらもう乗れないと思うのでなかなか乗り換えられないかも。

読書

気になる本は欲しいものリストに入れておいて、Kindleのセールで安くなったら買うというパターンが多い。で、セールの時にまとめ買いするものだから、買ったまま忘れている未読本がけっこうある。

偶然だけど複数巻のシリーズものが多かった。今年は再読も多くてベストというのは選びづらいけれど、強いてあげるとしたらプロジェクト・ヘイル・メアリーかなぁ。国内は天冥の標の完結。

【SF】

【ミステリ】

【ノンフィクション】

ご参考 過去の総括記事

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ブログ   2022/12/31   gena

SF本読了 クリプトノミコン1

「クリプトノミコン1 チューリング」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

セールになっていたのでシリーズをまとめ買い。しかし1巻の半分ほどまでは久々に読むのが苦痛だった。登場人物の区別もつかない、ストーリーもわからないうちから、本筋と関係のない冗長な描写がこれでもかと続くため。もう全巻買っちゃったよどうするの...と思いつつ斜め読みでなんとか半分を過ぎたあたりからようやく読めるようになった感じ。

でも結局1巻はストーリーらしいストーリーも進展せず、導入で終わった感じ。

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読書   2022/12/24   gena

SF本再読 三体III

「三体III (上・下)」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

改めて再読してみて、面白いのは間違いないんだけど、やっぱりIIと比べてちょっと荒唐無稽感が強くて、SFとしては物足りないかな、という印象。

三体文明以外の知的存在が用いる超科学が出てくるあたりから、科学というよりほとんど魔法になってしまって、理論的解説も放棄されてしまっているのがちょっと物足りないと思ったポイントかも。

それでも三体Xを読むのが楽しみ。

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読書   2022/12/11   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 三体II

「三体II 黒暗森林(上・下)」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

やっぱり三体はIIが最高かもしれない。あらためてIIIを読みつつこれを書いているけれど、「四次元」の登場あたりからどうも現実感が薄くなっていくような感じ。これはたぶん普段からイーガンで慣れているからだと思うんだけど、三次元人がそのまま四次元に入ってもああいう描写にはならないだろう、という違和感があるためだと思う。三次元の眼球では結局四次元空間の三次元へ投影された断面が見えるだけで、四次元を認識するなら四次元身体(超球の眼球)が必要なのでは?、とか。

IIが最高なのは、SFとしてめちゃくちゃ面白いストーリーの中で、フェルミのパラドックスへの回答を説得力のある形で与えてくれる点だと思う。これで世界観が変わった人は多いのでは。

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読書   2022/10/22   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 三体

「三体」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。

スピンオフ小説の三体Xが出て早速読み始めたんだけど、これはやっぱり最初から読み直した方が良いと思い直して、再読を開始。

2年ぶりに再読したけれど、いやー、こんなに面白かったっけ?というくらい面白い。マーダーボットとかレギオンかイーガンともまた全然違う路線で、訳者の大森さんの解説にもあったけれど、ベイリーとかそっち系の面白さかも。

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読書   2022/09/10   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 スーパーカブ8

「スーパーカブ8」(トネ・コーケン)を読了。Kindle版。

最終巻。巻を重ねるごとにカブの活躍シーンは減っていくんだけど、まあバイクのお話ではなくて小熊さんの成長ストーリーと考えれば納得のラストかな。

読んでいるとバイクに乗りたくなったりガレージ付きの物件が欲しくなったりいろいろ危険なシリーズだったので、一区切りして物欲を収めることができそう。

事故を起こしたライダーのヘルプに行った時は、相手が四十過ぎの初老男性で、
トネ・コーケン. スーパーカブ 8 (Japanese Edition) (p.176). Kindle 版.

40代は初老…。うん、まあ初老かな。せいぜいここに描かれているような老害に自分がならないように気を付けたい。

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読書   2022/08/17   gena

SF本読了 最終人類

「最終人類(上・下)」(Z.ジョーダン)を読了。Kindle版。

Kindle本のセールで購入。この人の作品は初読、というか小説初作品なのかな。初めて出版にこぎつけた小説作品(しかも長編)で翻訳までされて、というパターンは最近では珍しいのでは。

上巻はまあつまらなくはないけれど、『知性階級』という絶対的な評価基準で差別される宇宙、というなんとも気の滅入る設定がキツかった。下巻でネットワークとオブザーバ類のどちらに正義はあるのか、的な展開でようやく面白くなってきた感じ。ラストはどうせなら無限の上位階層というビジョンに下級の者がどうやって影響を及ぼせるのか、というところに踏み込んで欲しかったかな。

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読書   2022/08/12   gena

SF本読了 逃亡テレメトリー

「逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を読了。Kindle版。

待望のマーダーボットシリーズ続刊。中編1つと短編2つ。いずれも既刊の前日譚になっている。

解説にもあったけれど、『弊機』という一人称の翻訳がこの作品大成功の大きな要因と思う。これが単に『私』だったら、ここまでハマらなかったかも。英語では『I』らしいけど、何か工夫があるのかな。

あとはカッコの心情表現。こういうのが好み。

未発見のターゲットによって船内に閉じこめられる懸念はあります(うまくいかないはずですが、それでも試みる者がいたら気分を害したでしょう)(気分を害した警備ユニットと船内に閉じこめられるのは、おすすめしません)(やめましょう)。
マーサ・ウェルズ. 逃亡テレメトリー (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.82). Kindle 版.

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読書   2022/07/16   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 ネットワーク・エフェクト

「ネットワーク・エフェクト マーダーボット ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

当たり前かもしれないけれど、半年前の初読時よりも、前作から通して再読した今回の方がより楽しめた。これがあるからシリーズ物とわかっている作品は、完結してからまとめて読みたいんだよなぁ。

警備ユニット(構成機体)は本作で描かれるように、ソフトウェア(キルウェア)としてコピー可能で、ハード(ウェットウェア)依存ではない。無機部品と有機部品のハイブリッドとしているのは、画像処理などは有機部品(脳)の方が得意だから、ということが示唆されている。

ラストでは弊機ちょっと素直になりすぎじゃないの、と心配になってしまった。

「それ、アナグラムっていわないけど」
「なんでもいいです」
マーサ・ウェルズ. ネットワーク・エフェクト (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.202). Kindle 版.

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読書   2022/07/09   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ