SF本読了 オーラリメイカー
「オーラリメイカー」(春暮康一)を読了。Kindle版。
面白かった。今年読んだSFでは暫定一位。ただハヤカワSFコンテストの優秀賞で、大賞は該当作なしとのこと。選評は皆さんけっこう厳しくて、確かに同意できるところもあるけれど、だってアマチュアが応募してくる作品でしょう?これよりつまらないプロ作家の作品なんて(国産も翻訳も)いくらでもあるのでは。。とは思った。
「オーラリメイカー」(春暮康一)を読了。Kindle版。
面白かった。今年読んだSFでは暫定一位。ただハヤカワSFコンテストの優秀賞で、大賞は該当作なしとのこと。選評は皆さんけっこう厳しくて、確かに同意できるところもあるけれど、だってアマチュアが応募してくる作品でしょう?これよりつまらないプロ作家の作品なんて(国産も翻訳も)いくらでもあるのでは。。とは思った。
「プラスチックの恋人」(山本弘)を読了。Kindle版。
このテーマもあながち荒唐無稽とは言い切れない程度には時代が追いついてきた感じはあるかな。
面白かったけれど、昔は美少女ヌードが合法だったこととか、またその話?とは思った。あとプロジェクトぴあのと繋がりがあることにして、いろいろな作品が同じ未来史上にあると強調したいんだと思うけど、蛇足じゃないかなぁ。
「円 劉慈欣短編集」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
なるほど三体の人だな、という感じ。硬軟具合もちょうど三体と同程度と思う。
全体的に面白かったかな。こういうのって寓話SFというサブジャンルができそう。好みとしてはハチャメチャ具合から言って郷村教師と詩雲あたり。
【収録作品】
「零號琴 (上・下)」(飛浩隆)を読了。Kindle版。
飛氏も寡作な方で、前作は自生の夢。あと続刊の予告されている<廃園の天使>シリーズも中断されたまま。その分面白いというか、やたらと力の入った作品になっている。
本作は固有名詞がやたらと特撮やアニメのオマージュになっていて、こういうのは笑いながら読めばいいのか、展開はけっこうヘヴィだしなぁ、と迷うような作品だった。劇中作品の「あしたもフリギア!」は素直に面白そう。
キャラクターが魅力的なので、続編も期待したいけれど、いったい何年先になるやら。
「マザーコード」(C.スタイヴァース)を読了。Kindle版。
Covid-19流行のために本国で発売が延期されたそうな。(人為的な)パンデミックによる人類滅亡とその後の希望のお話。
人類滅亡の過程はあまり惨たらしい描写はなく淡々と進むけれど、かなり徹底的で救いのない滅亡のパターン。
デビュー長編とのことだけど、読みやすくて引き込まれた。ラストがちょっと微妙に不安になる感じではあったけれど、まあまあ良かったかな。
「なめらかな世界と、その敵」(伴名練)を読了。Kindle版。
この人の本は初読かな。面白かった。月並みだけど「和製テッドチャン」という感じ。
「シンギュラリティ・ソヴィエト」と「ひかりより速く、ゆるやかに」が特に好みかな。
【収録作品】
「クリプトノミコン4 データヘブン」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
最終巻ということでそこそこ楽しめたけれど、結局今までの冗長な3巻はなんだったのか、という感じ。
最後まで読んでもSFというよりは暗号テーマの軽いミステリという感じだった。その割には長すぎたかな。
「クリプトノミコン3 アレトゥサ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
ディティールの描写はやはりあまり肌に合わないので、ストーリーだけ斜め読み。
パケットラジオという無線でリモートログインする技術が出てくるけれど、アマチュア無線のパケット通信網を経由してインターネットにつなげているのかな。私がアマチュア無線を始めた2011年にはすでに(アマチュアの)パケット通信は廃れてしまっていて、OM諸氏から往時のお話を聞いたことがある程度。
そう思って奥付を見たら、原著は1999年出版らしい。邦訳(の電書版)は2022年出版なので、20年以上前に書かれたSFを読んでいたわけだ。この分野としては最先端を描いた作品だったんだろうけど、それを知らないと「何いまさらそんなこと言ってんの?」ということになってしまう。
「ブラッド・ミュージック」(G.ベア)を再読了。Kindle版。
初読は文庫版で1998年。ベアの訃報を聞いて、懐かしみながら読んだ。私がSFにハマったのは「永劫」で、これも再読したいけれど、ブラッド・ミュージック以外はまだ電書化されていない模様。
今読んでもめちゃくちゃ面白いし、古びていない。いわゆるナノテクものの元祖とされているけれど、本書の面白さってむしろシンギュラリティの方かと思う。怖いけれど、シンギュラリティが起きるならこういう未来も悪くないな、と思う。
「クリプトノミコン2 エニグマ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
うーん、1巻よりは楽しめたけれど、結局まだどこに話が向かっていくのかわからないし、私はこれをSFとして買ったんだけど、何かSFっぽい展開になるのかどうかが判然としないまま2巻が終わり。
戦争の惨たらしい描写はたっぷりあって、そういうのがお好きな人には良いのかも。
「無線員はだれでも電鍵の叩き方に独特の癖をもっていて、わたしたちはそれを〝筆跡〟と呼んでいます。Y部隊の連中も、慣れるとドイツの無線員を筆跡で聞き分けられるようになります。その一人がべつの部隊へ配転になってもわかるくらいです」
ニール スティーヴンスン. クリプトノミコン2 エニグマ (Japanese Edition) (p.298). Kindle 版.
電鍵の叩き方の癖は実際にモールス通信をやっていると実感としてわかる話。ただし現代は自分も含めてエレキーの場合が多いので、その場合はクセのない符号になっている。