SF本再読 天駆せよ法勝寺
「天駆せよ法勝寺」(八島游舷)を再読了。Kindle版。
長編版を買ったので、思い出しがてら再読。仏教はSFと親和性が高いというか、好みなものが多い気がする。一方でキリスト教SFってあんまり無いし、以前読んだイエスの遺伝子もイマイチだった。マンガのバスタードが頑張っていた感じだけど、あれはどうなったんだっけ。
天駆せよ法勝寺 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作 Kindle版
「天駆せよ法勝寺」(八島游舷)を再読了。Kindle版。
長編版を買ったので、思い出しがてら再読。仏教はSFと親和性が高いというか、好みなものが多い気がする。一方でキリスト教SFってあんまり無いし、以前読んだイエスの遺伝子もイマイチだった。マンガのバスタードが頑張っていた感じだけど、あれはどうなったんだっけ。
天駆せよ法勝寺 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作 Kindle版
「コード・ブッダ」(円城塔)を読了。Kidle版。
久しぶりに仏教SF。けっこう好きなジャンル(?)で楽しめた。明らかにギャグなんだけど、大真面目に書いてあって、これは笑えば良いんだろうかどうなんだろう。
「フェルマーの最終定理」(S.シン)を読了。Kindle版。
暗号解読を読んだ流れでこちらも読んでみたけれど、面白かった。
過去から現代までの数学をめぐる物語がまず面白いし、ワイルズによる証明も突然現れた天才が思いつきで証明を完成させた、というような単純な話ではなく、谷山・志村予想をはじめとするフェルマー以後の数学者の積み上げた理論や定理を駆使したもので、実はフェルマーは本当の証明を持ってはいなかったのではないか、というような話。
「ミネルヴァ計画」(J.P.ホーガン)を読了。Kindle版。
巨人たちの星シリーズ3部作+内なる宇宙で完結したシリーズに、まさかの続編ということで、星を継ぐものから久々にシリーズを通して再読。本書も楽しむことができた。ホーガンのデビュー作がシリーズ1作目で、最晩年にそれを完結させるという素晴らしさ。
晩年のホーガンは陰謀論とかトンデモに傾倒してしまったという話で心配していたものの、本書はあまりそういう部分は目立たず、うまくハントたちの物語を完結させてくれて感謝。マルチヴァースのいろいろは強引なところもあるけれど、それを言ったらシリーズ全体がかなりご都合主義でもあるので、純粋に楽しめばいいと思う。
ゾラックのファンとしては、最後に最大の見せ場があったので喜ばしい。あまり悲壮感なく描いてくれて良かったかな。詳しく描かれたら泣いてしまうと思う。
SF本再読 内なる宇宙
「内なる宇宙(上・下)」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
新作記念の再読キャンペーン中。ブログを遡っても初読の記録が出てこないので30年ぶりくらい?ですっかり内容を忘れてしまっていた。
確かジェベックスが作り出したVR世界のお話じゃなかったかな、と思いながら読んでいたらぜんぜん違った。ジェベックスを構成するコンピュータ素子のマトリクス上に自然発生した宇宙だった。
順列都市のオートヴァース、いやディアスポラのワンの絨毯の方が近いイメージかもしれない。ホーガンより先にこの着想で書いた作品って何かあったかな。
いわば立体巨大ライフゲームみたいな感じだと思うんだけど、その宇宙で「惑星」ができて知的生命が進化するっていうのはやや強引かなとも思った。
内なる宇宙 上 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) Kindle版
「巨人たちの星」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
新作記念の再読キャンペーンも年を跨いで初期3部作を読了。本作は大好きなゾラックはあまり活躍する場面がないんだけど、ストーリーとしては面白い。
ネットされているAI(コンピュータ)が出てくると、たいていハッキングしたりされたりというのが大事なポイントになることが多いわけだけど、セキュリティというのはまず破られる。もちろん強固なセキュリティで「侵入できませんでした」では物語が進まないから仕方がないわけだけど、結局技術のある相手にかかれば遠未来のテクノロジーであっても鉄壁のセキュリティは望めないということなのだろうか。
「暗号解読(上下)合本版」(S.シン)を読了。Kindle版。
久々のノンフィクション。面白かった。ちょうどアマプラで映画「イミテーション・ゲーム」を観たあとだったので、エニグマとチューリングのところはイメージが湧いたし、日替わり通信術練習のアプリで欧文暗文(暗号)を生成したりもしていたので、興味深かった。
さらに電信(モールス信号)と暗号って切っても切れない関係で、CW'erとしては「あるある」なオペレータのクセも重要な情報だったとわかったのも面白かった。
無線通信から情報を得るための補助的なテクニックも開発している。そうした補助的テクニック自体は、暗号解読とは関係がない。たとえばフランスの秘密情報収集所では、敵の無線オペレーターの癖までも聞き分けられるようになっていた。暗号化されたメッセージは、モールス信号の形で(つまり点と線の並びとして)送信されるが、オペレーターごとに、間のあけ方、送信速度、点と線の相対的な長さが異なるため、一人一人のオペレーターを識別できたのである。
今のところ日替わり通信術練習アプリの欧文暗文は単なるランダムな文字の羅列なんだけど、本当に暗号にしてみたら面白いかも、なんて思った。
「ガニメデの優しい巨人」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
新作記念の再読キャンペーン中。2025年に1970年代に書かれたハードSFを読み返すというのも味わい深い。
内容は独自理論の説明が長々と続く場面が多いんだけど、なんと言ってもゾラックが今読んでもしみじみ良い。
思えば自分の「しゃべるコンピュータ好き」って、ナイト2000やゾラックあたりが原体験としてある気がする。2025年現在ではもう会話するAIは珍しくもないけれど、ゾラックなんかとはやっぱりちょっと違う気がするんだよなぁ。何が違うんだろう。個性の有無?現実とのインタラクションの違い?それとも自発的に会話を開始できるかどうか、とか?
あと、清浄な空気が貴重なはずの宇宙船内だとかましてや異星人が目の前にいてもお構いなしにタバコを吸いまくるのが、時代を感じて面白い。タバコに対する姿勢はSF作家が未来予測できなかったことの一つだと思う。もっとも、未来では完全無害無臭のタバコという設定なのかもしれない。
「星を継ぐもの」(J.P.ホーガン)を再読了。Kindle版。
こちらもまさかのシリーズ新作が出たとのことで、再読キャンペーンを開始。
かなりインパクトのある作品だったはずだけど、途中までオチをすっかり忘れていて大変楽しく再読できた。
タイトルが壮大なネタバレになっているパターンでしたね。
「システムクラッシュ マーダーボットダイアリー」を読了。Kindle版。
待望の新作(シリーズ4作目)。ネットワークエフェクトからの直接の続編になっていて、主に「弊機」の精神(?)面の成長が描かれる。
タイトルのSystem Collupseだけど、ストーリー上の必然という感じでもなく、やや唐突な印象。時間軸もちょっとよくわからなかった。私の読解力がないのかもしれないけれど、前三作の明快な面白さと比べると「あれ?」と思うことが多かった。少し時間を置いてからじっくり再読したい。