Harmless Weblog

読書

SF本読了 怪獣保護協会

「怪獣保護協会」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。

面白かった。老人と宇宙シリーズのノリの良さで、かつ王道の展開でスカっと爽やか。

読みながら不思議というか違和感があったのは、最後まで男女が不明というキャラクターがけっこういたこと。これは訳者あとがきを読んだらわざとみたい。まああからさまに男言葉・女言葉を喋らせるのも不自然なんだけど、ビジュアルを想像しづらいのでこの辺は明確にしてもらった方が読みやすいかな、とは思う。

Covid-19パンデミックの世界を舞台にしたという意味でも面白かった。後年読む人はさぞ不思議に思うことだろう。

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読書   2024/07/28   gena

SF本読了 スペース金融道

「スペース金融道」(宮内悠介)を読了。kindle版。

息抜きのつもりで読んで、ちょっと想像と違ったけれど、面白かった。

銀河ヒッチハイクガイドと似た雰囲気というレビューを見たけれど、なるほど、という感じ。本作の方が小説としてはぜんぜん読みやすくて良かった。

スペース金融道 (河出文庫) Kindle版

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読書   2024/07/14   gena
タグ:Kindle , SF , 宮内悠介

SF本読了 流浪地球

「流浪地球」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

老神介護と同時刊行された姉妹短編集。こちらも大変面白かった。地球にエンジンを付けて自転を止めて動かすとかって、老神介護でも思ったけれど、こういう壮大な金のかかるプロジェクトはけっこう好きかも。

解説を読むまで気付かなかったけれど、呑食者は詩雲(円 劉慈欣短編集所収)と共通する世界だった。なるほどなぁ。

【収録作品】

  • 流浪地球
  • ミクロ紀元
  • 呑食者
  • 呪い5・0
  • 中国太陽

流浪地球 (角川文庫) Kindle版

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読書   2024/07/05   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本読了 老神介護

「老神介護」(劉慈欣)を読了。Kindle版。

面白かった。相互に関係のない短編なのかなと思ったら、大きく3つの物語の連作短編という感じだった。それがまた良い味を出している。しかも白亜紀往時は長編版もあるのか。この恐竜と蟻の寓話をどのように長編化しているのか気になる。

めちゃくちゃ金のかかる壮大なプロジェクトをバンバン実行する描写って、やっぱり国の景気を反映しているのかなと思ったり。

【収録作品】

  • 老神介護
  • 扶養人類
  • 白亜紀往事
  • 彼女の眼を連れて
  • 地球大砲

老神介護 (角川文庫) Kindle版

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読書   2024/06/22   gena
タグ:Kindle , SF , 劉慈欣

SF本再読 宇宙の果てのレストラン

「宇宙の果てのレストラン」(D.アダムス)を再読了。Kindle版。

内容はすっかり忘れていたけれど、読んでいるうちに「ああ、そういえばこんなお話だったっけ。」と思い出してきた。

初読の後に銀河ヒッチハイクの映画(2005)のDVDをレンタルして観て、そのイメージ(特にマーヴィン)が強烈だったと思う。映画はもう一回観ても良いかな、と思うけれど、小説はどうかなぁ。今読むとそこまでめちゃくちゃ面白いという感じでもない。

宇宙の果てのレストラン 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫) Kindle版

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読書   2024/06/15   gena
タグ:Kindle , SF , D.アダムス

SF本再読 銀河ヒッチハイクガイド

「銀河ヒッチハイクガイド」(D.アダムス)を再読了。Kindle版。

文庫版でシリーズ全部読んでいるけれど、探し出すのが面倒なので電書版を買い直した。記録を見たら初読は2012年だった。

SF読みの基礎知識的な本ではあるけれど、まあそんなにハマるか、っていうとそうでもない感じ。シリーズ全部再読するかどうかはちょっと考え中。

銀河ヒッチハイク・ガイド 銀河ヒッチハイクガイドシリーズ (河出文庫) Kindle版

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読書   2024/06/01   gena
タグ:Kindle , SF , D.アダムス

SF本読了 アイ・アム

「アイ・アム I am.」(菅浩江)を読了。Kindle版。

テーマはありがちだけど、そこはさすがに菅さん。丁寧に丁寧に磨き上げることで気持ちのいい仕上がりになっている。

ただ菅作品だと博物館惑星シリーズが好きすぎて、どうしても博物館惑星と比較してしまうなぁ。

アイ・アム I am. (祥伝社文庫) Kindle版

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読書   2024/05/25   gena
タグ:Kindle , SF , 菅浩江

SF本読了 銀河核へ

「銀河核へ 上・下」(B.チェンバーズ)を読了。Kindle版。

面白かったし、せっかくこれだけの世界を作り上げたのだから、続編が読みたいよなぁ。と、思ってあとがきを読んだら原著はシリーズ3作目まで出ているとのこと。これはぜひ翻訳してほしいところ。

若い頃はこういうスペオペは「これってSFじゃなくてもよくない?(人種や宗教の違う人が乗り合わせた船乗りの物語で、箱入り娘が身分を隠して乗り込む、みたいな)」と思ったものだけれど、最近は歳のせいか素直に楽しめるようになった。

銀河核へ 上 (創元SF文庫) Kindle版

銀河核へ 下 (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/05/11   gena

SF本読了 AIとSF

「AIとSF」(日本SF作家クラブ編)を読了。Kindle版。

懲りずにまたアンソロジーを買ってしまったけれど、これは正解だったかな。ヒット率が高かった。

また、Youtubeでよくお見掛けする品田遊(ダヴィンチ恐山)さんの作品も気になっていたので読めて良かった。普通に(ちょっと怖い系の)面白い短編だった。

あとは好きな作家(菅さん、野尻さん)の作品は当然良かったし、他も全体的に面白かった。特にお気に入りとしては、「シークレット・プロンプト」あたり。

【収録作品】

  • 準備がいつまで経っても終わらない件 長谷敏司
  • 没友 高山羽根子
  • Forget me, bot 柞刈湯葉
  • 形態学としての病理診断の終わり 揚羽はな
  • シンジツ 荻野目悠樹
  • AIになったさやか 人間六度
  • ゴッド・ブレス・ユー 品田 遊
  • 愛の人 粕谷知世
  • 秘密 高野史緒
  • 預言者の微笑 福田和代
  • シークレット・プロンプト 安野貴博
  • 友愛決定境界 津久井五月
  • オルフェウスの子どもたち 斧田小夜
  • 智慧練糸 野﨑まど
  • 表情は人の為ならず 麦原 遼
  • 人類はシンギュラリティをいかに迎えるべきか 松崎有理
  • 覚悟の一句 菅 浩江
  • 月下組討仏師 竹田人造
  • チェインギャング 十三不塔
  • セルたんクライシス 野尻抱介
  • 作麼生の鑿 飛 浩隆
  • 土人形と動死体 If You were a Golem, I must be a Zombie 円城 塔

AIとSF (ハヤカワ文庫JA) Kindle版

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読書   2024/04/27   gena

SF本読了 プリズムの瞳

「プリズムの瞳」(菅浩江)を読了。Kindle版。

初出は2003年から2006年に連載された連作短編とのこと。当時と20年後の現在ではロボットや、特にAI関係の状況がずいぶん違っていて、現在の視点からこの作品を見ると、ロボットとの共存について考えさせられる感じがする。

例えば、最近普通に見かけるようになったファミレスの配膳ロボットが、ピィシリーズみたいなヒューマノイドだったらどうだろうか、とか。配膳ロボットを導入したところでは人間スタッフにクレームを言われることが減ってスタッフのストレス軽減に効果があった、みたいな記事も見たけれど、会話ができるヒューマノイドだったら、ロボットに難癖をつけて引き止める客が出てきそうな気がする。

ところでロボットよりも「博士」の体質の方がずっと人類社会に影響大のような気がして、それがちょっと奇妙に感じたかな。狙われるなら博士の方じゃない?

プリズムの瞳 (創元SF文庫) Kindle版

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読書   2024/04/06   gena
タグ:Kindle , SF , 菅浩江