Harmless Weblog

読書

SF本読了 零號琴

「零號琴 (上・下)」(飛浩隆)を読了。Kindle版。

飛氏も寡作な方で、前作は自生の夢。あと続刊の予告されている<廃園の天使>シリーズも中断されたまま。その分面白いというか、やたらと力の入った作品になっている。

本作は固有名詞がやたらと特撮やアニメのオマージュになっていて、こういうのは笑いながら読めばいいのか、展開はけっこうヘヴィだしなぁ、と迷うような作品だった。劇中作品の「あしたもフリギア!」は素直に面白そう。

キャラクターが魅力的なので、続編も期待したいけれど、いったい何年先になるやら。

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読書   2023/05/19   gena
タグ:Kindle , SF , 飛浩隆

SF本読了 マザーコード

「マザーコード」(C.スタイヴァース)を読了。Kindle版。

Covid-19流行のために本国で発売が延期されたそうな。(人為的な)パンデミックによる人類滅亡とその後の希望のお話。

人類滅亡の過程はあまり惨たらしい描写はなく淡々と進むけれど、かなり徹底的で救いのない滅亡のパターン。

デビュー長編とのことだけど、読みやすくて引き込まれた。ラストがちょっと微妙に不安になる感じではあったけれど、まあまあ良かったかな。

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読書   2023/04/28   gena

SF本読了 なめらかな世界と、その敵

「なめらかな世界と、その敵」(伴名練)を読了。Kindle版。

この人の本は初読かな。面白かった。月並みだけど「和製テッドチャン」という感じ。

「シンギュラリティ・ソヴィエト」と「ひかりより速く、ゆるやかに」が特に好みかな。

【収録作品】

  • なめらかな世界と、その敵
  • ゼロ年代の臨界点
  • 美亜羽へ贈る拳銃
  • ホーリーアイアンメイデン
  • シンギュラリティ・ソヴィエト
  • ひかりより速く、ゆるやかに

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読書   2023/04/05   gena
タグ:Kindle , SF , 伴名練

SF本読了 クリプトノミコン4

「クリプトノミコン4 データヘブン」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

最終巻ということでそこそこ楽しめたけれど、結局今までの冗長な3巻はなんだったのか、という感じ。

最後まで読んでもSFというよりは暗号テーマの軽いミステリという感じだった。その割には長すぎたかな。

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読書   2023/03/11   gena

SF本読了 クリプトノミコン3

「クリプトノミコン3 アレトゥサ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

ディティールの描写はやはりあまり肌に合わないので、ストーリーだけ斜め読み。

パケットラジオという無線でリモートログインする技術が出てくるけれど、アマチュア無線のパケット通信網を経由してインターネットにつなげているのかな。私がアマチュア無線を始めた2011年にはすでに(アマチュアの)パケット通信は廃れてしまっていて、OM諸氏から往時のお話を聞いたことがある程度。

そう思って奥付を見たら、原著は1999年出版らしい。邦訳(の電書版)は2022年出版なので、20年以上前に書かれたSFを読んでいたわけだ。この分野としては最先端を描いた作品だったんだろうけど、それを知らないと「何いまさらそんなこと言ってんの?」ということになってしまう。

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読書   2023/02/24   gena

SF本再読 ブラッド・ミュージック

「ブラッド・ミュージック」(G.ベア)を再読了。Kindle版。

初読は文庫版で1998年。ベアの訃報を聞いて、懐かしみながら読んだ。私がSFにハマったのは「永劫」で、これも再読したいけれど、ブラッド・ミュージック以外はまだ電書化されていない模様。

今読んでもめちゃくちゃ面白いし、古びていない。いわゆるナノテクものの元祖とされているけれど、本書の面白さってむしろシンギュラリティの方かと思う。怖いけれど、シンギュラリティが起きるならこういう未来も悪くないな、と思う。

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読書   2023/02/04   gena
タグ:Kindle , SF , G.ベア

SF本読了 クリプトノミコン2

「クリプトノミコン2 エニグマ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

うーん、1巻よりは楽しめたけれど、結局まだどこに話が向かっていくのかわからないし、私はこれをSFとして買ったんだけど、何かSFっぽい展開になるのかどうかが判然としないまま2巻が終わり。

戦争の惨たらしい描写はたっぷりあって、そういうのがお好きな人には良いのかも。

「無線員はだれでも電鍵の叩き方に独特の癖をもっていて、わたしたちはそれを〝筆跡〟と呼んでいます。Y部隊の連中も、慣れるとドイツの無線員を筆跡で聞き分けられるようになります。その一人がべつの部隊へ配転になってもわかるくらいです」
ニール スティーヴンスン. クリプトノミコン2 エニグマ (Japanese Edition) (p.298). Kindle 版.

電鍵の叩き方の癖は実際にモールス通信をやっていると実感としてわかる話。ただし現代は自分も含めてエレキーの場合が多いので、その場合はクセのない符号になっている。

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読書   2023/01/21   gena

SF本読了 三体X

「三体X 観想之宙」(宝樹)を読了。Kindle版。

三体シリーズの二次創作、という割にはやたらと完成度が高く、よくここまで考えたな、という感じ。違和感もあるにはあるんだけど、これを読んだ後だと、「三体シリーズ」から本書を分離して考えることは無理なんじゃないかな。

二次元宇宙で文明を維持するっていうのは、つまり二次元空間で動作するコンピュータを作って、そのシミュレーションの中で暮らすという感じかなと想像(チューリングマシンやワンの絨毯からの連想)。シミュレーションなら三次元でも四次元でもお好きなように、とできるので。そういう意味で、暗黒森林攻撃に対する防御として、ポリスに引き篭もって比較的安全そうな恒星間空間や銀河間空間を漂うっていうのはどうだろう。

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読書   2023/01/04   gena
タグ:Kindle , SF , 宝樹

SF本読了 クリプトノミコン1

「クリプトノミコン1 チューリング」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。

セールになっていたのでシリーズをまとめ買い。しかし1巻の半分ほどまでは久々に読むのが苦痛だった。登場人物の区別もつかない、ストーリーもわからないうちから、本筋と関係のない冗長な描写がこれでもかと続くため。もう全巻買っちゃったよどうするの...と思いつつ斜め読みでなんとか半分を過ぎたあたりからようやく読めるようになった感じ。

でも結局1巻はストーリーらしいストーリーも進展せず、導入で終わった感じ。

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読書   2022/12/24   gena

ミステリ再読 どちらかが魔女

「どちらかが魔女 森博嗣シリーズ短編集」(森博嗣)を読了。Kindle版。

過去の短編集からS&M、V、Xシリーズの短編を再編集したもの。一応文庫版ですべて既読だけど、まとめて再読して幸せな気分。

特に諏訪野さんの活躍、そして「ぶるぶる人形」〜「刀之津診療所」の組合せは至福。

【収録作品】

  1. ぶるぶる人形にうってつけの夜
  2. 誰もいなくなった
  3. 石塔の屋根飾り
  4. マン島の蒸気鉄道
  5. どちらかが魔女
  6. 相当の鷲の旗の下に
  7. いつ入れ替わった?
  8. 刀之津診療所の怪

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読書   2022/12/17   gena