SF本読了 クリプトノミコン4
「クリプトノミコン4 データヘブン」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
最終巻ということでそこそこ楽しめたけれど、結局今までの冗長な3巻はなんだったのか、という感じ。
最後まで読んでもSFというよりは暗号テーマの軽いミステリという感じだった。その割には長すぎたかな。
「クリプトノミコン4 データヘブン」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
最終巻ということでそこそこ楽しめたけれど、結局今までの冗長な3巻はなんだったのか、という感じ。
最後まで読んでもSFというよりは暗号テーマの軽いミステリという感じだった。その割には長すぎたかな。
「クリプトノミコン3 アレトゥサ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
ディティールの描写はやはりあまり肌に合わないので、ストーリーだけ斜め読み。
パケットラジオという無線でリモートログインする技術が出てくるけれど、アマチュア無線のパケット通信網を経由してインターネットにつなげているのかな。私がアマチュア無線を始めた2011年にはすでに(アマチュアの)パケット通信は廃れてしまっていて、OM諸氏から往時のお話を聞いたことがある程度。
そう思って奥付を見たら、原著は1999年出版らしい。邦訳(の電書版)は2022年出版なので、20年以上前に書かれたSFを読んでいたわけだ。この分野としては最先端を描いた作品だったんだろうけど、それを知らないと「何いまさらそんなこと言ってんの?」ということになってしまう。
「ブラッド・ミュージック」(G.ベア)を再読了。Kindle版。
初読は文庫版で1998年。ベアの訃報を聞いて、懐かしみながら読んだ。私がSFにハマったのは「永劫」で、これも再読したいけれど、ブラッド・ミュージック以外はまだ電書化されていない模様。
今読んでもめちゃくちゃ面白いし、古びていない。いわゆるナノテクものの元祖とされているけれど、本書の面白さってむしろシンギュラリティの方かと思う。怖いけれど、シンギュラリティが起きるならこういう未来も悪くないな、と思う。
「クリプトノミコン2 エニグマ」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
うーん、1巻よりは楽しめたけれど、結局まだどこに話が向かっていくのかわからないし、私はこれをSFとして買ったんだけど、何かSFっぽい展開になるのかどうかが判然としないまま2巻が終わり。
戦争の惨たらしい描写はたっぷりあって、そういうのがお好きな人には良いのかも。
「無線員はだれでも電鍵の叩き方に独特の癖をもっていて、わたしたちはそれを〝筆跡〟と呼んでいます。Y部隊の連中も、慣れるとドイツの無線員を筆跡で聞き分けられるようになります。その一人がべつの部隊へ配転になってもわかるくらいです」
ニール スティーヴンスン. クリプトノミコン2 エニグマ (Japanese Edition) (p.298). Kindle 版.
電鍵の叩き方の癖は実際にモールス通信をやっていると実感としてわかる話。ただし現代は自分も含めてエレキーの場合が多いので、その場合はクセのない符号になっている。
「三体X 観想之宙」(宝樹)を読了。Kindle版。
三体シリーズの二次創作、という割にはやたらと完成度が高く、よくここまで考えたな、という感じ。違和感もあるにはあるんだけど、これを読んだ後だと、「三体シリーズ」から本書を分離して考えることは無理なんじゃないかな。
二次元宇宙で文明を維持するっていうのは、つまり二次元空間で動作するコンピュータを作って、そのシミュレーションの中で暮らすという感じかなと想像(チューリングマシンやワンの絨毯からの連想)。シミュレーションなら三次元でも四次元でもお好きなように、とできるので。そういう意味で、暗黒森林攻撃に対する防御として、ポリスに引き篭もって比較的安全そうな恒星間空間や銀河間空間を漂うっていうのはどうだろう。
「クリプトノミコン1 チューリング」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
セールになっていたのでシリーズをまとめ買い。しかし1巻の半分ほどまでは久々に読むのが苦痛だった。登場人物の区別もつかない、ストーリーもわからないうちから、本筋と関係のない冗長な描写がこれでもかと続くため。もう全巻買っちゃったよどうするの...と思いつつ斜め読みでなんとか半分を過ぎたあたりからようやく読めるようになった感じ。
でも結局1巻はストーリーらしいストーリーも進展せず、導入で終わった感じ。
「どちらかが魔女 森博嗣シリーズ短編集」(森博嗣)を読了。Kindle版。
過去の短編集からS&M、V、Xシリーズの短編を再編集したもの。一応文庫版ですべて既読だけど、まとめて再読して幸せな気分。
特に諏訪野さんの活躍、そして「ぶるぶる人形」〜「刀之津診療所」の組合せは至福。
【収録作品】
「三体III (上・下)」(劉慈欣)を再読了。Kindle版。
改めて再読してみて、面白いのは間違いないんだけど、やっぱりIIと比べてちょっと荒唐無稽感が強くて、SFとしては物足りないかな、という印象。
三体文明以外の知的存在が用いる超科学が出てくるあたりから、科学というよりほとんど魔法になってしまって、理論的解説も放棄されてしまっているのがちょっと物足りないと思ったポイントかも。
それでも三体Xを読むのが楽しみ。
「物理の4大定数 宇宙を支配するc、G、e、h」(小谷太郎)を読了。Kindle版。
ちょうど三体シリーズを再読していたところで、物理定数とか空間の次元みたいなネタが出てくることもあって、久しぶりに小説以外の本を読んだ。
内容は軽めで疲れずに読めたかな。空間の次元数「3」というのも物理定数ということになるんだろうか。
「ψの悲劇」(森博嗣)を読了。Kindle版。
Gシリーズ後期3部作は2022年10月現在では未完結だけど、買ってしまった。
後期3部作は一連の(過去)ミステリシリーズから、未来を描くSFミステリシリーズの間のミッシングリンクを埋めるような位置付けという印象。
ラストは「ωの悲劇」が出るのだろうと思っているけれど、一方で最近「オメガ城の惨劇」という作品もシリーズ外(ただし副題はSAIKAWA Sohei's Last Case)で出たのでちょっと混乱している。こちらを先に読むべきなのかどうなのか。