Harmless Weblog

読書

SF本読了 スーパーカブ8

「スーパーカブ8」(トネ・コーケン)を読了。Kindle版。

最終巻。巻を重ねるごとにカブの活躍シーンは減っていくんだけど、まあバイクのお話ではなくて小熊さんの成長ストーリーと考えれば納得のラストかな。

読んでいるとバイクに乗りたくなったりガレージ付きの物件が欲しくなったりいろいろ危険なシリーズだったので、一区切りして物欲を収めることができそう。

事故を起こしたライダーのヘルプに行った時は、相手が四十過ぎの初老男性で、
トネ・コーケン. スーパーカブ 8 (Japanese Edition) (p.176). Kindle 版.

40代は初老…。うん、まあ初老かな。せいぜいここに描かれているような老害に自分がならないように気を付けたい。

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読書   2022/08/17   gena

ミステリ再読 εに誓って

「εに誓って」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

バスジャックのお話。大きなトリックとしてはなんとなく覚えていたけれど、やっぱり細部はほとんど忘れていた。

小さな離島で同人誌趣味がいかに難しいか、という謎知識も得られる。

「世界に、ミッキーは一人しかいないんですよ」
「一匹だろう?」
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.9601-9602). Kindle 版.

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読書   2022/08/16   gena

SF本読了 最終人類

「最終人類(上・下)」(Z.ジョーダン)を読了。Kindle版。

Kindle本のセールで購入。この人の作品は初読、というか小説初作品なのかな。初めて出版にこぎつけた小説作品(しかも長編)で翻訳までされて、というパターンは最近では珍しいのでは。

上巻はまあつまらなくはないけれど、『知性階級』という絶対的な評価基準で差別される宇宙、というなんとも気の滅入る設定がキツかった。下巻でネットワークとオブザーバ類のどちらに正義はあるのか、的な展開でようやく面白くなってきた感じ。ラストはどうせなら無限の上位階層というビジョンに下級の者がどうやって影響を及ぼせるのか、というところに踏み込んで欲しかったかな。

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読書   2022/08/12   gena

ミステリ再読 τになるまで待って

「τになるまで待って」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

久々の犀川先生の本領発揮、そして海月くんとの推理対決。

このドアは引いて開けるもので、赤柳が指摘したとおり、蝶番は部屋の内側になる。したがって、閉まった状態ではそれも取り外せない。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.7780-7781). Kindle 版.

この記述だけど、部屋の外から引いて開けるドアの場合、蝶番は部屋の内側ではなく外側になるんじゃなかろうか。

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読書   2022/08/11   gena

ミステリ再読 θは遊んでくれたよ

「θは遊んでくれたよ」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

怪しげな探偵赤柳さんの怪しい行動と、懐かしいメンバー(反町さん、金子くん)が登場。

彼女は一人でそれに乗り込んだ。エレベータのボタンには指紋を付けないように注意して、持っていた携帯電話のアンテナで押した。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4967-4968). Kindle 版.

携帯電話のアンテナで押す、という表現は最近はもう理解してもらえないかもしれない。今ならスマホの角で押す、かな。

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読書   2022/08/07   gena

ミステリ再読 φは壊れたね

「φは壊れたね」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

Gシリーズは未完結だけど、初期作品は文庫しか持っていないし、9作目までの合本版が出てセールになっていたので購入。

初読は文庫版で2007年、その後2010年に再読している。Kindle版はジグβから。そう考えると何年経っても何度でも楽しめて大変お得。

読んでいるうちにある程度は思い出せたけれど、やっぱり10年以上ぶりの再読だと大部分忘れている。そして同じところでクスッとしてしまう。加部谷さん良い子だよなぁ。それなのに将来あんなことがあるなんて、というのがジワジワと来る。

まず、コンピュータのデータのセーブ、メールの確認。次に、フォルダにグラフとファイルを入れ、MOディスクを取り出して、スリープ。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.965-966). Kindle 版.

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読書   2022/07/29   gena

SF本読了 逃亡テレメトリー

「逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を読了。Kindle版。

待望のマーダーボットシリーズ続刊。中編1つと短編2つ。いずれも既刊の前日譚になっている。

解説にもあったけれど、『弊機』という一人称の翻訳がこの作品大成功の大きな要因と思う。これが単に『私』だったら、ここまでハマらなかったかも。英語では『I』らしいけど、何か工夫があるのかな。

あとはカッコの心情表現。こういうのが好み。

未発見のターゲットによって船内に閉じこめられる懸念はあります(うまくいかないはずですが、それでも試みる者がいたら気分を害したでしょう)(気分を害した警備ユニットと船内に閉じこめられるのは、おすすめしません)(やめましょう)。
マーサ・ウェルズ. 逃亡テレメトリー (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.82). Kindle 版.

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読書   2022/07/16   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 ネットワーク・エフェクト

「ネットワーク・エフェクト マーダーボット ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

当たり前かもしれないけれど、半年前の初読時よりも、前作から通して再読した今回の方がより楽しめた。これがあるからシリーズ物とわかっている作品は、完結してからまとめて読みたいんだよなぁ。

警備ユニット(構成機体)は本作で描かれるように、ソフトウェア(キルウェア)としてコピー可能で、ハード(ウェットウェア)依存ではない。無機部品と有機部品のハイブリッドとしているのは、画像処理などは有機部品(脳)の方が得意だから、ということが示唆されている。

ラストでは弊機ちょっと素直になりすぎじゃないの、と心配になってしまった。

「それ、アナグラムっていわないけど」
「なんでもいいです」
マーサ・ウェルズ. ネットワーク・エフェクト (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.202). Kindle 版.

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読書   2022/07/09   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 マーダーボット・ダイアリー

「マーダーボット・ダイアリー(上・下)」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

初読は2020年。続編のネットワーク・エフェクトを読んだときにちょっと忘れている部分が多かったのと、さらに続編の逃亡テレメトリーが発売されたこともあって、通しで再読しておこうと思った次第。

再読なのにやっぱりめちゃくちゃ面白かった。近年ではレギオンシリーズとこのマーダーボットシリーズが特異的に面白いと感じる。A.ウィアーの一連のSFも三体も大傑作だけど、何度も再読したくなるのはこちらかも。

今回もフィードという情報基盤について注意して読んだけど、わかるような気がするけどよく考えるとやっぱりわからない、という絶妙なガジェット。現実世界であと30年くらい経てば、ああ、あの時のフィードってこれだ!みたいなインフラが現れるだろうか。

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読書   2022/07/02   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本読了 われらはレギオン4

「われらはレギオン4 脅威のシリンダー世界」(D.E.テイラー)を読了。Kinble版。

1巻から再読した流れで一気に読了。4作目も面白さは健在で楽しめた。

前作までで宇宙戦闘は散々描かれたということなのか、本作では異星の巨大建造物の探検と異星人とのドタバタ。

完全ソフトウェア化せずに、レプリカントマトリクスというハードに依存する設定により、複製浮動という個性を生み出したのが新しいと思った。そこから派生して真のAIを作ることの困難さに説得力を持たせるあたりが良かった。

この世界感ならいくらでも続編は書けそうだと思うので引き続き楽しみにしたい。

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読書   2022/06/25   gena