Harmless Weblog

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SF本読了 ゾーイの物語

「ゾーイの物語 老人と宇宙4」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。

これまでの3部作があってこそだとは思うけれど、大変良かった。今年の暫定ベスト。

この作品世界って、ブレインパルのような高度なAIがあって、テクノロジーも相当なものなんだけど、白兵戦でCDFの兵士をバンバン使い捨てにするというのがちょっと違和感。儀式的な決闘(?)は別として、通常の戦闘はギュゲス的な動甲冑を使うとか、いっそのことロボットや戦闘ドローンを大量投入すれば良いだけでは、と思ってしまう。

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読書   2021/04/29   gena

SF本読了 星系出雲の兵站1

「星系出雲の兵站1」(林譲治)を読了。Kindle版。

これも長いシリーズもの。ちょうど「老人と宇宙」シリーズと被って読み始めてしまったのはちょっとまずかったかな。どちらもFTL航法可能な宇宙艦隊が出てくるお話なので。

シリーズものだけにストーリーは重厚で面白そうな始まり方だけど、登場人物が多く混乱しそう。あとは説明ゼリフの連発がちょっと気になるかなぁ。まあ説明がないと軍の組織の意味とか全然わからないのは確かだけど。とりあえず続きが楽しみ。

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読書   2021/04/24   gena
タグ:Kindle , SF , 林譲治

SF本読了 ランドスケープと夏の定理

「ランドスケープと夏の定理」(高島雄哉)を読了。Kindle版。

面白かった。ガチガチにハードなテーマでありながら読みやすいのは、日本人作家だからなのか。

イーガンをかなり意識したことはあとがきでも書いてあるけれど、イーガン慣れしている読者からすると、わかるようでよくわからないのが、本作で大きな役割を果たす「情報ー演算対」という、一時的な知性アップロード技術。

脳から一時的に取り出された記憶情報核に演算機能を付加して、情報空間で活動したり、光速で送受信できたりする、というのが情報ー演算対。取り出した記憶情報だけでは(実行する)環境がないので機能しないだろう。そこに実行環境や入出力、体感覚などをエミュレートするのが演算対の部分ということなのかな。イーガン風に言えば演算対=エクソセルフだろうか。

…というあたりを微に入り細を穿って描写してくれたら、もっと良かったかなぁ。あんまり売れないかもしれないけど。

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読書   2021/04/04   gena
タグ:Kindle , SF , 高島雄哉

SF本読了 稲妻6

「稲妻6」(坂本康宏)を読了。Kindle版。

2008年の作品。Kindleで読めるようになったのがありがたい。

ダブルオーは「現実的な」合体ロボとはどういうものかが描かれたけれど、本作は「SFとしての」変身ヒーローものとはどうなるのか、が描かれた作品。翻訳SFでは書けない国産SFならではのテーマで面白かった。

神話の「鬼」との関係性がサラっと仄めかされていたけれど、この辺の深掘りとか、もっと広がりそうなテーマかなと思った。

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読書   2021/04/03   gena
タグ:Kindle , SF , 坂本康宏

SF本読了 最後の星戦

「最後の星戦 老人と宇宙3」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。

面白かった。シリーズとしてはまだ続きがあるけれど、ひとまずこの3部作で一区切りかな。

1作目からは想像もつかない展開を経て、大団円。ぜんぜんハードSFではないシリーズだけど、自分の嗜好が気負わずに読めるこういう作品が楽しめるように変わってきた気がする。

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読書   2021/03/20   gena

SF本読了 トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

「トランスヒューマンガンマ線バースト童話集」(三方行成)を読了。Kindle版。

面白かった。解説を読んだらザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネームと同時期の作品で、同じくカクヨムに連載されていた作品がベースとのこと。最近国内も海外も、ネットで発表して人気に火がついて書籍化(電書化)というパターンが多い気がする。

トランスヒューマンとポストヒューマンがどちらも実在していて区別されているという設定が良いと思った。連作短編で独立した物語のように見えて、同じガンマ線バーストの災厄を絡めた物語(未来話)になっているのも良いし、あとはやっぱり甲殻機動隊(誤字にあらず)かなぁ。

入浴シーン?ありませんが?一応童話ですので、はい。
三方 行成. トランスヒューマンガンマ線バースト童話集 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.754-755). Kindle 版.

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読書   2021/03/13   gena
タグ:Kindle , SF , 三方行成

SF本読了 遠すぎた星

「遠すぎた星 老人と宇宙2」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。

1作目の老人と宇宙の背景設定がよく出来ていたので、これはハズしようがないという面白さ。邦題は素直に「ゴースト部隊」にした方が良かったのでは。

黒暗森林宇宙とはちょっと違うのかな、というのが仄めかされてくるわけだけど、3作目が楽しみ。

それにしても本作1部で人類のこれでもかというクソっぷりが描かれるんだけど、こういうパターンは斬新に感じた。物語として、敵方の極悪非道ぶりを強調した上で、それをやっつけることでスカっとする、というのはよくあるけれど、主人公サイドをここまで酷く描くのはすごいなと思って。

方針を変えて、もっとべつの創造物を描いた物語をさがしてみたところ、すぐにいろいろなのが見つかった。フライデー、R・ダニール・オリヴォー、データ、HAL、ロボットのマリア、アトム、各種ターミネーター、チャンナ・フォーチューナ、ロボット野郎ジョーといった、多種多様なアンドロイド、ロボット、コンピュータ、レプリカント、クローン、そして遺伝子操作で生みだされたあれこれ。
ジョン スコルジー. 遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF) . 株式会社 早川書房. Kindle 版.

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読書   2021/02/28   gena

ミステリ読了 ダマシXダマシ

「ダマシXダマシ」(森博嗣)を読了。Kindle合本版。

Xシリーズもついに完結。まったりしたシリーズだったし、元々シリーズの読者には椙田さんの素性はバレている前提なので、これ以上のびっくりはなかろう、と思って油断していたら最後の最後で結構「えっ」という展開が待っていた。

もっともっと続きが読みたいけれど、あとはGシリーズとWWシリーズを楽しみにしよう。

もしかして、私は奢れ奢れ詐欺に遭っているのではないか、とも。
森博嗣. Xシリーズ全6冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.16624). Kindle 版.

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読書   2021/02/23   gena

SF本読了 老人と宇宙

「老人と宇宙」(J.スコルジー)を読了。Kindle版。

2021年初の未読本。この人の本は「アンドロイドと夢の羊」を読んだことがあるけれど、有名な老人と宇宙シリーズは手付かずだった。手頃な翻訳SFの新刊がなかったので手を出してみることに。

軽めのエンターテイメントSFで読みやすく面白かった。元々ゴリゴリにハードなSFが好きだけど、歳のせいかこういう軽い作品も最近は好みになっている。

三体IIを読んでからは、宇宙モノのSFで他の知的存在とのコンタクトがある作品については、「これは黒暗森林宇宙かどうか」を気にしてしまう。本作は超光速航法(スキップドライブ)が許容されているという相違はあるけれど、黒暗森林。一方でイーガンのディアスポラなんかは非黒暗森林ということになるかな。

老人限定で入隊できるコロニー防衛軍という設定が良かったと思う。それにしても75歳以上の人々の描写がちょっと若々しすぎるのが気になったかな。別に「わしは〜じゃよ」とかステレオタイプな老人言葉を使わせる必要はないと思うけれど、もう少し「老人ぽさ」があっても良いような気がした。

「まるっきりちがう。重力場を生成するには莫大なエネルギーが必要で、出力すべきエネルギー量は、重力場の半径の増加に合わせて指数関数的に増大する。おそらく、ひとつの大きな重力場ではなく、複数の小さな重力場を生成してごまかしているんだろう。それにしたって、このプラットフォームの重力場を生成するためのエネルギーは、きみの故郷の町を一カ月照らすためのエネルギーより大きいはずだ」
ジョン スコルジー. 老人と宇宙 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.565-569). Kindle 版.

こういうところを突っ込むのは無粋だとは思うけれど、ちょっと引っかかる。この場合、「重力場をXX分間発生させるためのエネルギーは...」、としないと適切な比較にならない。

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読書   2021/02/14   gena

ミステリ再読 サイタXサイタ

「サイタXサイタ」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

ここまでは既読で、残るダマシXダマシだけが未読。いよいよXシリーズもクライマックスで、楽しみなような寂しいような。

むしろ、ネットの掲示板やツイッタなど、一般人のコメントは非常に多く、勝手気ままに推理をし、無責任な冗談を言い、盛り上がりを見せている。
森博嗣. Xシリーズ全6冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.13348-13349). Kindle 版.

今ならSNSでひとくくりだろうけれど、この頃はまだ「ネットの掲示板」がツイッタよりもメジャだったというのがわかる。

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読書   2021/02/12   gena