「天冥の標<1> メニー・メニー・シープ(上下)」(小川一水)を再読了。Kindle合本版。
天冥は文庫本でVIまで買って、その後Kindle版でIXまで買っていた。完結のXをどうしようか、また最初の方の話を忘れているので再読もしたいし…と思っていたら、ちょうどKindle本の半額セールで合本版が安くなっていたので購入。今までに買った単品のKindle版が無駄になってしまうけれど、文庫本を1巻ずつKindleで買い直すよりはお得だったので。
いよいよ全巻通して完結まで一気に読めると思うと感慨深い。1巻の初読は2010年、2015年に8巻と同時くらいに一度再読している。
天冥シリーズは真面目なハードSFなんだけど、一方でエロも大きなテーマのひとつなので、そこがオールタイムベストになるかどうかの分かれ目かも。
あと改めて1巻を読み返してみて、やっぱり植民地の電力事情は気になった。特に「配電制限」というオペレーション。検索してみるとわかるけれど、こういう形の電力の供給制限というのは実際はできない。現在の技術でできるのは時間やエリアで「停電」させる輪番停電とか計画停電というオペレーション。
――それもこれも、配電制限のせいだった。いまやどの家庭も、夜間に電灯を一つか二つ灯すのが精一杯で、暖房器具など使うべくもなかったのだ。
小川 一水. 《天冥の標》合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6902-6903). Kindle 版.
単純に供給力上限を絞った場合は、負荷が一定以上になった時点でエリア一体が停電するけれど、その場合でも「世帯で電灯1つか2つが精一杯」みたいなことはユーザー側ではわからない。スマート電力メーター的なもので、動的に世帯毎のアンペア上限を決める(例えば1Aを超えたらブレーカを落とす)ことはできるかもしれないけれど、ネットどころかテレビもない植民地のレベルだと難しそう。