Harmless Weblog

読書

ミステリ再読 τになるまで待って

「τになるまで待って」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

久々の犀川先生の本領発揮、そして海月くんとの推理対決。

このドアは引いて開けるもので、赤柳が指摘したとおり、蝶番は部屋の内側になる。したがって、閉まった状態ではそれも取り外せない。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.7780-7781). Kindle 版.

この記述だけど、部屋の外から引いて開けるドアの場合、蝶番は部屋の内側ではなく外側になるんじゃなかろうか。

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読書   2022/08/11   gena

ミステリ再読 θは遊んでくれたよ

「θは遊んでくれたよ」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

怪しげな探偵赤柳さんの怪しい行動と、懐かしいメンバー(反町さん、金子くん)が登場。

彼女は一人でそれに乗り込んだ。エレベータのボタンには指紋を付けないように注意して、持っていた携帯電話のアンテナで押した。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4967-4968). Kindle 版.

携帯電話のアンテナで押す、という表現は最近はもう理解してもらえないかもしれない。今ならスマホの角で押す、かな。

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読書   2022/08/07   gena

ミステリ再読 φは壊れたね

「φは壊れたね」(森博嗣)を再読了。Kindle合本版。

Gシリーズは未完結だけど、初期作品は文庫しか持っていないし、9作目までの合本版が出てセールになっていたので購入。

初読は文庫版で2007年、その後2010年に再読している。Kindle版はジグβから。そう考えると何年経っても何度でも楽しめて大変お得。

読んでいるうちにある程度は思い出せたけれど、やっぱり10年以上ぶりの再読だと大部分忘れている。そして同じところでクスッとしてしまう。加部谷さん良い子だよなぁ。それなのに将来あんなことがあるなんて、というのがジワジワと来る。

まず、コンピュータのデータのセーブ、メールの確認。次に、フォルダにグラフとファイルを入れ、MOディスクを取り出して、スリープ。
森博嗣. Gシリーズ9冊合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.965-966). Kindle 版.

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読書   2022/07/29   gena

SF本読了 逃亡テレメトリー

「逃亡テレメトリー マーダーボット・ダイアリー」(M.ウェルズ)を読了。Kindle版。

待望のマーダーボットシリーズ続刊。中編1つと短編2つ。いずれも既刊の前日譚になっている。

解説にもあったけれど、『弊機』という一人称の翻訳がこの作品大成功の大きな要因と思う。これが単に『私』だったら、ここまでハマらなかったかも。英語では『I』らしいけど、何か工夫があるのかな。

あとはカッコの心情表現。こういうのが好み。

未発見のターゲットによって船内に閉じこめられる懸念はあります(うまくいかないはずですが、それでも試みる者がいたら気分を害したでしょう)(気分を害した警備ユニットと船内に閉じこめられるのは、おすすめしません)(やめましょう)。
マーサ・ウェルズ. 逃亡テレメトリー (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.82). Kindle 版.

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読書   2022/07/16   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 ネットワーク・エフェクト

「ネットワーク・エフェクト マーダーボット ダイアリー」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

当たり前かもしれないけれど、半年前の初読時よりも、前作から通して再読した今回の方がより楽しめた。これがあるからシリーズ物とわかっている作品は、完結してからまとめて読みたいんだよなぁ。

警備ユニット(構成機体)は本作で描かれるように、ソフトウェア(キルウェア)としてコピー可能で、ハード(ウェットウェア)依存ではない。無機部品と有機部品のハイブリッドとしているのは、画像処理などは有機部品(脳)の方が得意だから、ということが示唆されている。

ラストでは弊機ちょっと素直になりすぎじゃないの、と心配になってしまった。

「それ、アナグラムっていわないけど」
「なんでもいいです」
マーサ・ウェルズ. ネットワーク・エフェクト (マーダーボット・ダイアリー) (Japanese Edition) (p.202). Kindle 版.

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読書   2022/07/09   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本再読 マーダーボット・ダイアリー

「マーダーボット・ダイアリー(上・下)」(M.ウェルズ)を再読了。Kindle版。

初読は2020年。続編のネットワーク・エフェクトを読んだときにちょっと忘れている部分が多かったのと、さらに続編の逃亡テレメトリーが発売されたこともあって、通しで再読しておこうと思った次第。

再読なのにやっぱりめちゃくちゃ面白かった。近年ではレギオンシリーズとこのマーダーボットシリーズが特異的に面白いと感じる。A.ウィアーの一連のSFも三体も大傑作だけど、何度も再読したくなるのはこちらかも。

今回もフィードという情報基盤について注意して読んだけど、わかるような気がするけどよく考えるとやっぱりわからない、という絶妙なガジェット。現実世界であと30年くらい経てば、ああ、あの時のフィードってこれだ!みたいなインフラが現れるだろうか。

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読書   2022/07/02   gena
タグ:Kindle , SF , M.ウェルズ

SF本読了 われらはレギオン4

「われらはレギオン4 脅威のシリンダー世界」(D.E.テイラー)を読了。Kinble版。

1巻から再読した流れで一気に読了。4作目も面白さは健在で楽しめた。

前作までで宇宙戦闘は散々描かれたということなのか、本作では異星の巨大建造物の探検と異星人とのドタバタ。

完全ソフトウェア化せずに、レプリカントマトリクスというハードに依存する設定により、複製浮動という個性を生み出したのが新しいと思った。そこから派生して真のAIを作ることの困難さに説得力を持たせるあたりが良かった。

この世界感ならいくらでも続編は書けそうだと思うので引き続き楽しみにしたい。

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読書   2022/06/25   gena

SF本再読 われらはレギオン3

「われらはレギオン3 太陽系最終大戦」(D.E.テイラー)を再読了。Kindle版。

初読は2019年。やっぱり最後の盛り上げと大団円、エピローグと最高に好みの展開を持ってくるなぁ。と改めて思った。

初読の時の感想にも書いたけど、レプリカント化を希望する人がごく少人数しかいないのはやっぱり不思議かな。日本人だからそう思うんだろうか。

復習もできたので、続編を楽しみたい。

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読書   2022/06/11   gena

SF本再読 われらはレギオン2

「われらはレギオン2 アザーズとの遭遇」(D.E.テイラー)を再読了。Kindle版。

初読は2018年。いやー、やっぱりこのシリーズは最高。

「じゃあ、さっそくとりかかるよ。だけど、きみとは競争だからな。ぼくが先に超光速飛行を実現するほうに賭けるかい?」
デニス E テイラー. われらはレギオン2 アザーズとの遭遇 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.4370-4371). Kindle 版.

個人的好みだけど、ここは「超光速航法」と訳してほしかった。

4年経ってもアップロード知性の分類については現実世界では進展がないように思う。

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読書   2022/06/03   gena

SF本読了 たゆたいエマノン

「たゆたいエマノン」(梶尾真治)を読了。Kindle版。

エマノンシリーズ6作目。一気に読んだので違和感なかったけれど、前作からかなり時間が空いていたみたい。また連作短編形式に戻った。

エマノンと対にになる位置付けで別な意味で時間を超える存在のヒカリのお話が多かった。

シリーズをまとめ買いしたけど、まだ完結していないというのはちょっと誤算だったかな。大きなストーリーみたいなものはなさそうなので、また続刊があれば買う感じにしようと思う。

SF的にエマノンやヒカリの存在を説明するとしたらどうなるんだろう。安直にはマトリックス・リング界的なものだけど、それだと面白くないしなぁ。続刊があるなら「不思議だね」で終わらず何か説明が付くような結末を期待したい。

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読書   2022/05/29   gena