SF本読了 老神介護
「老神介護」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
面白かった。相互に関係のない短編なのかなと思ったら、大きく3つの物語の連作短編という感じだった。それがまた良い味を出している。しかも白亜紀往時は長編版もあるのか。この恐竜と蟻の寓話をどのように長編化しているのか気になる。
めちゃくちゃ金のかかる壮大なプロジェクトをバンバン実行する描写って、やっぱり国の景気を反映しているのかなと思ったり。
【収録作品】
- 老神介護
- 扶養人類
- 白亜紀往事
- 彼女の眼を連れて
- 地球大砲
「老神介護」(劉慈欣)を読了。Kindle版。
面白かった。相互に関係のない短編なのかなと思ったら、大きく3つの物語の連作短編という感じだった。それがまた良い味を出している。しかも白亜紀往時は長編版もあるのか。この恐竜と蟻の寓話をどのように長編化しているのか気になる。
めちゃくちゃ金のかかる壮大なプロジェクトをバンバン実行する描写って、やっぱり国の景気を反映しているのかなと思ったり。
【収録作品】
「宇宙の果てのレストラン」(D.アダムス)を再読了。Kindle版。
内容はすっかり忘れていたけれど、読んでいるうちに「ああ、そういえばこんなお話だったっけ。」と思い出してきた。
初読の後に銀河ヒッチハイクの映画(2005)のDVDをレンタルして観て、そのイメージ(特にマーヴィン)が強烈だったと思う。映画はもう一回観ても良いかな、と思うけれど、小説はどうかなぁ。今読むとそこまでめちゃくちゃ面白いという感じでもない。
「銀河ヒッチハイクガイド」(D.アダムス)を再読了。Kindle版。
文庫版でシリーズ全部読んでいるけれど、探し出すのが面倒なので電書版を買い直した。記録を見たら初読は2012年だった。
SF読みの基礎知識的な本ではあるけれど、まあそんなにハマるか、っていうとそうでもない感じ。シリーズ全部再読するかどうかはちょっと考え中。
「アイ・アム I am.」(菅浩江)を読了。Kindle版。
テーマはありがちだけど、そこはさすがに菅さん。丁寧に丁寧に磨き上げることで気持ちのいい仕上がりになっている。
ただ菅作品だと博物館惑星シリーズが好きすぎて、どうしても博物館惑星と比較してしまうなぁ。
「銀河核へ 上・下」(B.チェンバーズ)を読了。Kindle版。
面白かったし、せっかくこれだけの世界を作り上げたのだから、続編が読みたいよなぁ。と、思ってあとがきを読んだら原著はシリーズ3作目まで出ているとのこと。これはぜひ翻訳してほしいところ。
若い頃はこういうスペオペは「これってSFじゃなくてもよくない?(人種や宗教の違う人が乗り合わせた船乗りの物語で、箱入り娘が身分を隠して乗り込む、みたいな)」と思ったものだけれど、最近は歳のせいか素直に楽しめるようになった。
「AIとSF」(日本SF作家クラブ編)を読了。Kindle版。
懲りずにまたアンソロジーを買ってしまったけれど、これは正解だったかな。ヒット率が高かった。
また、Youtubeでよくお見掛けする品田遊(ダヴィンチ恐山)さんの作品も気になっていたので読めて良かった。普通に(ちょっと怖い系の)面白い短編だった。
あとは好きな作家(菅さん、野尻さん)の作品は当然良かったし、他も全体的に面白かった。特にお気に入りとしては、「シークレット・プロンプト」あたり。
【収録作品】
「プリズムの瞳」(菅浩江)を読了。Kindle版。
初出は2003年から2006年に連載された連作短編とのこと。当時と20年後の現在ではロボットや、特にAI関係の状況がずいぶん違っていて、現在の視点からこの作品を見ると、ロボットとの共存について考えさせられる感じがする。
例えば、最近普通に見かけるようになったファミレスの配膳ロボットが、ピィシリーズみたいなヒューマノイドだったらどうだろうか、とか。配膳ロボットを導入したところでは人間スタッフにクレームを言われることが減ってスタッフのストレス軽減に効果があった、みたいな記事も見たけれど、会話ができるヒューマノイドだったら、ロボットに難癖をつけて引き止める客が出てきそうな気がする。
ところでロボットよりも「博士」の体質の方がずっと人類社会に影響大のような気がして、それがちょっと奇妙に感じたかな。狙われるなら博士の方じゃない?
「あなたの人生の物語」(T.チャン)を再読了。Kindle版。
楽園とは探偵の不在なりを読んだときに電書版を買って「地獄とは神の不在なり」を再読したけれど、改めて全体を通して再読。
やっぱりこの短編集は好きだなぁ。定期的に読み返したくなるお話ばかり。
「スノウ・クラッシュ(上・下)」(N.スティーヴンスン)を読了。Kindle版。
原著は1992年で長らく絶版になっていたものが電書で復刊したみたい。こういう流れは歓迎。
クリプトノミコンよりは楽しめたかな。「メタヴァース」を発案してそのイメージを後の世に決定づけたという意味で注目される作品だけど、読んでみて、むしろ言語SFとして面白いと思った。
スノウ・クラッシュ〔新版〕 上 (ハヤカワ文庫SF) Kindle版
「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ3」(小川一水) を読了。Kindle版。
けっこうヤバめの話になってきたのと、気楽に読んでいて最初の方のエピソードを忘れているので、時期を見て最初から再読したいかな。
「粘土」はそもそも何なのか、そこにどういったSF的な理屈が付けられるのか、を是非明らかにしていって欲しいところ。それがないと単なる魔法の便利デバイスになってしまうので。