SF本読了 アメリカン・ブッダ
「アメリカン・ブッダ」(柴田勝家)を読了。Kindle版。
この方の本は初読。元々好物の仏教SFの表題作と、民俗学と絡めた他の作品も大変面白かった。硬軟のバランスがちょうど良い感じで、軽すぎず重すぎずちょうど良い気持ちよさ。
【収録作品】
- 雲南省スー族におけるVR技術の使用例
- 鏡石異譚
- 邪義の壁
- 一八九七年:龍動幕の内
- 検疫官
- アメリカン・ブッダ
「アメリカン・ブッダ」(柴田勝家)を読了。Kindle版。
この方の本は初読。元々好物の仏教SFの表題作と、民俗学と絡めた他の作品も大変面白かった。硬軟のバランスがちょうど良い感じで、軽すぎず重すぎずちょうど良い気持ちよさ。
【収録作品】
「天冥の標<1> メニー・メニー・シープ(上下)」(小川一水)を再読了。Kindle合本版。
天冥は文庫本でVIまで買って、その後Kindle版でIXまで買っていた。完結のXをどうしようか、また最初の方の話を忘れているので再読もしたいし…と思っていたら、ちょうどKindle本の半額セールで合本版が安くなっていたので購入。今までに買った単品のKindle版が無駄になってしまうけれど、文庫本を1巻ずつKindleで買い直すよりはお得だったので。
いよいよ全巻通して完結まで一気に読めると思うと感慨深い。1巻の初読は2010年、2015年に8巻と同時くらいに一度再読している。
天冥シリーズは真面目なハードSFなんだけど、一方でエロも大きなテーマのひとつなので、そこがオールタイムベストになるかどうかの分かれ目かも。
あと改めて1巻を読み返してみて、やっぱり植民地の電力事情は気になった。特に「配電制限」というオペレーション。検索してみるとわかるけれど、こういう形の電力の供給制限というのは実際はできない。現在の技術でできるのは時間やエリアで「停電」させる輪番停電とか計画停電というオペレーション。
――それもこれも、配電制限のせいだった。いまやどの家庭も、夜間に電灯を一つか二つ灯すのが精一杯で、暖房器具など使うべくもなかったのだ。
小川 一水. 《天冥の標》合本版 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6902-6903). Kindle 版.
単純に供給力上限を絞った場合は、負荷が一定以上になった時点でエリア一体が停電するけれど、その場合でも「世帯で電灯1つか2つが精一杯」みたいなことはユーザー側ではわからない。スマート電力メーター的なもので、動的に世帯毎のアンペア上限を決める(例えば1Aを超えたらブレーカを落とす)ことはできるかもしれないけれど、ネットどころかテレビもない植民地のレベルだと難しそう。
「星系出雲の兵站ー遠征ー5」(林譲治)を読了。Kindle版。
星系出雲シリーズもいよいよ完結。最後まで面白く読めた...けど、最後はやっぱり猫に持っていかれた感がある。林譲治さんはツィッターでもにゃんこの写真をいつもアップしてくださっているのでその点は非常に親近感がわく。
シリーズを通して。そもそも「兵站」という地味なところに焦点を当てているので、ファーストコンタクトに宇宙戦争という派手なテーマの割に、全体的に地味だったかな。長い説明ゼリフが多いのも気になる。そのドローンの名前だとか細部の描写だとかはストーリーに何か影響があるの?と思いながら最後まで読んでもぜんぜん意味がなかったり。ある意味斬新だとは思った。
あとは98%くらいにわたりさんざん謎が提示される割に、最後2%で結局「全てを知る犯人」が現れて「解答を説明」してくれるっていう終わり方もどうなんだろう。説明されなかった点は完全に放置だし、これでもかとディティールに凝ったタオ、水神、火伏(とその奥様)たちはその後どうなったの?とかの回収もなし。どうせなら最終巻はこの辺の後日談でも良かったのでは、と安易に思うのは素人だから?
「星系出雲の兵站ー遠征ー4」(林譲治)を読了。Kindle版。
いろいろとわからないことだらけの状況のまま、異星人とのコミュニケーションもままならず、クライマックスに向けてどう納めていくんだろう、という興味で読んでいる。
RFIDタグが出てきたり、妙に現代地球と似通った技術が登場するんだけど、何度も書くけどFTL航法とのギャップがすごい。
「三体III 死神永生(上・下)」(劉慈欣)を読了。Kindle版
いよいよ完結編。発売が待ち遠しくて、発売されて即購入。こういうのは珍しい。
とにかく三体II黒暗森林が最高潮に盛り上がって面白過ぎたので、完結編でこれ以上どのように盛り上げて終わらせるのかが気になった。
読み始めてみれば、IIとはまた違った角度、とんでもないスケールと、もうお腹いっぱいという面白さ。下巻は「三体ロス」が怖くてなかなかページを進められなくなってしまった。これも最近では珍しい。
出たばかりの本なのでネタバレは避けるけれど、この三部作は文句なくこの10年で最高傑作と思う。個人的に何度も読み返したくなるのはイーガンの方だけど、三体はイーガンと同等のスケール感で、小難しい理論描写を省いて読みやすくした感じ。
しばらく時間を置いてからじっくり再読したい。
昔のテレビが電波を受信しないときに画面に映し出したランダムな砂嵐のような映像だ。
劉 慈欣. 三体Ⅲ 死神永生 上 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6281-6282). Kindle 版.
テレビの砂嵐と聞いてもピンとこない読者も増えているだろうなぁ。
「星系出雲の兵站ー遠征ー3」(林譲治)を読了。Kindle版。
いろいろと謎のままどんどん話が進んでしまって、残り2巻で完全にスッキリするのか心配になってきている。
異星人と同等以上に謎で面白いのが人類の播種の背景。今回は重要な遺物も発見されて、これと異星人がどう絡んでくるのか。そして地球について何かわかってくるのか、というあたりが気になる。
「星系出雲の兵站ー遠征ー2」(林譲治)を読了。Kindle版。
世界観にもだいぶ馴染んできたし、面白いんだけど、いまいちキャラ萌えというほどでもないし、びっくり仰天の展開というわけでもないので、やっぱり淡々とシミュレーションが進んでいるのを見ている雰囲気。
三体IIIと並行して読んでいるので余計にそう思うのかも。
「星系出雲の兵站ー遠征ー1」(林譲治)を読了。Kindle版。
「ー遠征ー」が付いたけれど実質そのままストーリーは続いていて、遠征まで合わせてひとつのシリーズということみたい。遠征は5巻まで。
三体IIIと並行して読んでいるけれど、同じファーストコンタクト宇宙SFでこんなに違うものかと、比較しながら楽しんでいる。
星系出雲の世界ではやっぱりAFD航法だけがオーパーツ的にアンバランスな要素に思える。三体世界では人類より遥かに物理学で先行している三体文明ですら、超光速航法は実現していない(ただし即時通信は実現している)。
「星系出雲の兵站4」(林譲治)を読了。Kindle版。
4巻までで、ファーストコンタクトもいよいよ次の段階へ、というところで第一部完。
面白いんだけど、物語を読んでいるというより、ファーストコンタクトのシミュレーションを体験しているような感覚。兵站関係の説明が多いせいだと思うけど。
人類はAFDという超光速(FTL)航法を実現していて、異星人(光速に縛られている)との戦闘でもこれを使ってズルをする。通常速度の宇宙船(核融合推進)で開拓した航路の範囲内だけで可能な航法ということで、超光速通信は不可。AFD宇宙船に手紙を載せて届ける超光速飛脚は可能、という設定。これって因果律破れは引き起こさないのかな。亜光速の速度差が絡まなければ平気?
でもちょっと考えたらAFD航法だけでも亜光速で飛ぶ宇宙船はできそう。恒星近傍の重力場で自由落下して、恒星に衝突する前にAFDでまた最初の地点に戻る。これを繰り返せばいくらでも自由落下で加速できる。別に因果律なんて破らなくたって、この方法でいくらでも強力な運動エネルギー兵器が作れそう。これを禁止するために、老人と宇宙シリーズでは「惑星などの重力場近傍ではスキップ(FTL航法)不可」、という設定にしたんだろうな。
「この地獄の片隅に パワードスーツSF傑作選」(J.J.アダムズ編)を読了。Kindle版。
全体的に面白かった。けれど、最後にパワードスーツあんまり関係ない猫SFが出てきて全部持っていかれた感じ。ネコ出すのはずるいって。
あとはスチームパンクの2作かな。久しぶりにアレステア・レナルズが読めたのも良かった。またあの痺れる分厚さ(Kindleになったら厚みはないけど)の長編を読みたい。
【収録作品】